• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実績報告書

金属酸化物/炭素複合体の水溶液法による合成と金属-空気電池正極への適用

研究課題

研究課題/領域番号 23360435
研究機関東京大学

研究代表者

日比野 光宏  東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (20270910)

研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2014-03-31
キーワード金属-酸素電池 / 二次電池 / 電極材料 / 金属酸化物 / ペロブスカイト関連構造化合物
研究概要

1 固体内酸素を利用した新しい金属-酸素電池に関する研究
前年度までにBaFeO2.5およびLaNiO3は電気化学的にそれぞれ酸化および還元によって大きく酸素組成が変えられること,またCa0.5La0.5FeO2.83における非常に大きな酸素の化学拡散係数を明らかにした.これらのように,大きく酸素量が変えられ,酸素が速く動く材料は,空気中酸素の還元触媒としてだけでなく,活物質として,出入りする酸素が利用可能と考えた.
酸素が出入りする酸化物を電極活物質として用いる場合,酸化物中の酸素量が多いほど高容量となる.そこで,固相合成法を利用して酸化物骨格を形成し,本研究のこれまでの水溶液合成と同様に液相を用いた手法で酸化処理を行ったところ,鉄およびコバルトの形式酸化数が+4のAFeO3(Ca,Sr,Ba)およびSrCoO3を合成することができた.
得られた高酸化状態のペロブスカイト構造酸化物を正極として,有機電解液,LiあるいはNa負極と組み合わせて電池を組んだところ,いずれも放電及び充電が可能であった.Na負極とCaFeO3正極では容量90mAh/g,平均電位2.1 V(vs. Na/Na+)でありエネルギー密度はリチウムイオン電池の1/3程度であるが,毒性の低い材料を用いた非常に安価な電池として期待される.
2 反応メカニズム解析
CaFeO3を正極は,CaFeOzとしてz~3のペロブスカイト構造の相とz~2.5のブラウンミラーライト型構造の相の二相共存状態で放電が進んだ.Na負極を用いた場合,放電とともに電極から引き抜かれた酸素と電解質カチオンからNaO2,Na2O2,Na2Oが順次生成することが熱力学的に予想された.また,電極電位はナトリウム酸化物の生成自由エネルギーと正極材料中の酸素の化学ポテンシャル(μ)によって決まるため,電位の詳細な解析をすることで正極のμを求めることができた.また,CaFeO3を0.5ファラデー還元した試料のTEM観察像において予想通りNa2O2の存在を確認した.

現在までの達成度 (区分)
理由

25年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

25年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] A New Rechargeable Sodium Battery Utilizing Reversible Topotactic Oxygen Extraction/Insertion of CaFeOz (2.5 <= z <= 3) in An Organic Electrolyte2014

    • 著者名/発表者名
      M. Hibino, R. Harimoto, Y. Ogasawara, R. Kido, A. Sugahara, T. Kudo, E. Tochigi, N. Shibata, Y. Ikuhara, N. Mizuno
    • 雑誌名

      Journal of the American Chemical Society

      巻: 136 ページ: 488-494

    • DOI

      10.1021/ja411365z

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Electrochemical Reactions of Perovskite-Type SrCoO3-δ via Topotactic Oxygen Extraction/Insertion in Aprotic Li+ Electrolyte Solutions2014

    • 著者名/発表者名
      Y. Ogasawara, M. Hibino, T. Kudo, N. Mizuno
    • 雑誌名

      Journal of the Electrochemical Society

      巻: 161 ページ: A792-A797

    • DOI

      10.1149/2.063405jes

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 酸素ロッキング電池 -電極間で酸化物イオンの受け渡しをする新しいアニオン型電池-2013

    • 著者名/発表者名
      日比野光宏,水野哲孝
    • 雑誌名

      マテリアルステージ

      巻: 13 ページ: 67-69

  • [学会発表] 酸化物イオン脱挿入を利用したAFeO3(A = Ca, Sr, Ba)のナトリウム電池正極特性2013

    • 著者名/発表者名
      日比野光宏,張本龍司,工藤徹一,水野哲孝
    • 学会等名
      第54回電池討論会
    • 発表場所
      大阪国際会議場,大阪府
    • 年月日
      20131009-20131009
  • [学会発表] SrCoO2.92の電気化学的酸化物イオン脱挿入とリチウム電池正極特性2013

    • 著者名/発表者名
      小笠原義之、日比野光宏、工藤徹一、水野哲孝
    • 学会等名
      第54回電池討論会
    • 発表場所
      大阪国際会議場,大阪府
    • 年月日
      20131008-20131008
  • [図書] リチウム空気電池の最前線(周 豪慎監修) 担当部分pp.153-1622013

    • 著者名/発表者名
      日比野光宏,水野哲孝
    • 総ページ数
      177
    • 出版者
      シーエムシー出版
  • [備考] 水野研究室の研究コンセプト

    • URL

      http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/mizuno/japanese/research.html

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi