(1) 好熱性シアノバクテリアThermosynechococcus vulcanusに存在するシアノバクテリオクロム型光受容体ドメインをもつc-di-GMP合成酵素(diguanylate cyclase)であるTlr0911とc-di-GMP分解酵素(phosphodiesterase)であるTlr1999、Tlr0911の破壊株を作製し、その表現型を解析した。さまざまな光条件で各遺伝子破壊の組合せを比較検討することで、細胞凝集を引き起こす主要な青色光受容体はTlr0924であること、また、これをシアン光で抑制する光受容体Tlr1999とのバランスによって調節されていることが明らかになった。また、デュアルセンサーのTlr0911はこれらの光調節のファインチューニングをしていることが示された。 (2) シアノバクテリオクロムTlr01999の結晶化の準備として、発現・精製法を検討し、夾雑物を効率よく除去するシステムの開発に成功し、結晶化に向けた大量調製を進めている。 (3) シアノバクテリオクロムAnPixJを色素と共発現することで、長波長型色素ビリベルジンを結合することを示した。これは長波長型シアノバクテリオクロムの初めての例である。 (4) シアノバクテリオクロムの調節するc-di-GMPシグナリングに関与する因子の一つTlr0485がcAMPによって活性を調節されることを生化学的に実証した。
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