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2011 年度 実績報告書

個体光合成系構築にかかわるシステミック・糖センサー・レドックス制御系の包括的解析

研究課題

研究課題/領域番号 23370015
研究機関東京大学

研究代表者

寺島 一郎  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40211388)

キーワード柵状組織 / 海綿状組織 / 部分被陰 / 酸化還元 / 環境応答 / 光合成 / 環境応答
研究概要

陽葉陰葉分化に関与するシステミックな制御因子の探索に向けて、モデル植物シロイヌナズナを用いて解析を進めた。まず、シロイヌナズナを強光下(360μmol m^<-2>s^<-1>)または弱光下(60μmol m^<-2>s^<-1>)で水耕栽培し、陽葉と陰葉の形成を観察した。次に、成熟葉シグナルが発生初期の葉の陽葉陰葉分化を規定するというシロザの知見が、シロイヌナズナで再現されるか否かを調べるため、部分被陰処理を行って未熟葉の切片を観察した。
シロイヌナズナのロゼット葉は、強光下で細長く、弱光下で平たくなった。強光下の葉と弱光下の葉とでは、葉身縦横比が強光下の葉で有意に大きくなり、葉重あたりの葉面積が弱光下の葉で有意に大きくなった。このことから、シロイヌナズナは、強光下で細長く厚い葉を形成し、弱光下で平たく薄い葉を形成することがわかった。葉の切片を観察したところ、シロイヌナズナの陽葉と陰葉とで明確な柵状組織の細胞層数の違いは認められず、代わりに陽葉の柵状組織細胞が陰葉のそれよりも細長くなっていたことから、シロイヌナズナ陽葉の厚みは、柵状組織細胞の伸長によるものと考えられた。
部分被陰処理後の未熟葉切片では、成熟葉への光強度により厚みの違いがみられるものの、柵状組織細胞の伸長度合いに明確な違いはみられなかった。シロイヌナズナでは、葉に厚みをもたせる柵状組織細胞の伸長に、未熟葉自身の光環境も関与している可能性がある。一方、部分被陰処理後の未熟葉の縦横比は、未熟葉自身は弱光下にある場合でも、成熟葉が強光下にあれば縦横比が大きくなった。未熟葉が細長くなるか平たくなるかは、成熟葉の光環境によることがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

シロザを用いて行った実験を、モデル植物シロイヌナズナで再現できるかどうかを確認した。下位葉の効果はあるものの、シロザほど顕著な効果は得られなかった。

今後の研究の推進方策

分子遺伝学的解析が可能な点で、シロイヌナズナは有用であるが、成熟葉シグナルの解析に適しているとは言えない。材料として、ミヤコグサやシロザを用いる。また、部分環境制御システムを作成する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 未成熟葉の陽葉化/陰葉化は成熟葉の光環境がシステミックに規定する2012

    • 著者名/発表者名
      吉田千枝、種子田春彦、野口航、寺島一郎
    • 学会等名
      日本植物生理学会
    • 発表場所
      京都産業大利(京都)
    • 年月日
      2012-03-16

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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