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2011 年度 実績報告書

苔類植物を用いた陸上植物の生活環制御遺伝子の祖先的機能の研究

研究課題

研究課題/領域番号 23370022
研究機関京都大学

研究代表者

荒木 崇  京都大学, 生命科学研究科, 教授 (00273433)

キーワード苔類植物 / ゼニゴケ / 発生 / 器官分化 / 配偶体 / 生殖器官 / 胞子体 / 比較機能ゲノム
研究概要

本年度は、3つの課題のうち、「転写因子MpLFYを要とする転写制御ネットワークとその調節下の発生・生理過程の解明」に関する研究を中心に、以下の成果があった。
(1)第一世代マイクロアレイを用いた解析からこれまでに得ていた制御標的遺伝子候補について検証を進め、5個の直接制御標的遺伝子候補と8個の間接制御標的遺伝子候補を絞り込むことができた。直接制御標的遺伝子候補のうちの2個については、未公開のゲノム情報からパラログ遺伝子を見いだし、比較解析の対象に加えた。次世代シークエンサーを用いた解析コストの低下、ゼニゴケ・ゲノム解読の進捗状況などを考慮して、第二世代マイクロアレイの有用性はあまりないと考え、その設計は見送ることにした。
(2)造精器の発生過程におけるMpLFYの発現に関して、RNA in situハイブリダイゼーションによる解析を完結した。造卵器と胞子体における発現については、GUSレポーターを用いた解析を進めた。
(3)造精器における発現量を指標に、RNAiおよび人工miRNA(MpLFY-amiR)による発現抑制株(雄株由来)を確立し、表現型解析をおこなった。精子形成と運動能に欠損がある可能性を見いだし、発現抑制株において精子関連遺伝子2個の発現量低下を確認した。未公開のゼニゴケ・ゲノム情報とヒメツリガネゴケ、クラミドモナスのゲノム情報をもとに、約80個の精子形成・精子機能関連の遺伝子をリスト化した。相同組換えによるノックアウト株を2株(いずれも雄株)得ることができた。
(4)SPLファミリー遺伝子が、これまでに得ていた3個に加え、もう1個あることを確認し、その遺伝子(MpSPL4)の遺伝子クローニングを終えた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

3つの研究課題のうち、MpLFYに関する部分に大きな進展があり、研究の新たな展開が期待できる状況になっているため。

今後の研究の推進方策

当面、研究の大きな展開が期待されるMpLFYに関する課題を中心に研究を進める。ノックアウト株が取得できたことから、これを用いた解析を優先し、平成24年度内に論文をまとめることを目指す。やや遅れているMADS転写因子とPEBPについては、MpLFYとの関係(前者)と浸透圧ストレスに対する応答・関わり(後者)を中心に研究を進める。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] The TFL1 homologue KSN is a regulator of continuous flowering in rose and strawberry2012

    • 著者名/発表者名
      Iwata, H., Gaston, A., Remay, A., Thouroude, T., Jeauffre, J., Kawamura, K., Oyant, L.H., Araki, T., Denoyes, B., and Foucher, F.
    • 雑誌名

      Plant Journal

      巻: 69 ページ: 116-125

    • DOI

      10.1111/j.1365-313X.2011.04776.x

    • 査読あり
  • [雑誌論文] CRYPTIC PRECOCIOUS/MED12 is a novel flowering regulator with multiple target steps in Arabidopsis2012

    • 著者名/発表者名
      Imura, Y., Kobayashi, Y., Yamamoto, S., Furutani, M., Tasaka, M., Abe, M., A T.
    • 雑誌名

      Plant & Cell Physiology

      巻: 53 ページ: 287-303

    • DOI

      10.1093/pcp/pcs002

    • 査読あり
  • [学会発表] 植物の成長相転換における制御因子の祖先的機能の探索2012

    • 著者名/発表者名
      酒井友希, 荒木崇
    • 学会等名
      日本植物生理学会第53回年会
    • 発表場所
      京都産業大学(京都市)(シンポジウム)(招待講演)
    • 年月日
      2012-03-16
  • [学会発表] 花芽形成のマスター制御因子LEAFYの祖先的機能の探索2012

    • 著者名/発表者名
      酒井友希, 伊藤美沙, 川本麻美, 宮下結衣, 宇山和樹, 辻井由香, 遠藤求, 石崎公庸, 大和和幸, 河内孝之, 荒木崇
    • 学会等名
      日本植物生理学会第53回年会
    • 発表場所
      京都産業大学(京都市)(一般発表・口頭)
    • 年月日
      2012-03-16
  • [学会発表] 苔類ゼニゴケにおけるLEAFY相同遺伝子MpLFYの機能解析2011

    • 著者名/発表者名
      酒井友希, 宮下結衣, 宇山和樹, 辻井由香, 遠藤求, 石崎公庸, 大和和幸, 河内孝之, 荒木崇
    • 学会等名
      日本植物学会第75回大会
    • 発表場所
      東京大学駒場キャンパス(東京都)(一般発表・口頭)
    • 年月日
      2011-09-17
  • [学会発表] 苔類ゼニゴケにおけるLEAFY相同遺伝子MpLFYの直接制御標的の探索2011

    • 著者名/発表者名
      川本麻美, 酒井友希, 宇山和樹, 辻井由香, 遠藤求, 石崎公庸, 大和和幸, 河内孝之, 荒木崇
    • 学会等名
      日本植物学会第75回大会
    • 発表場所
      東京大学駒場キャンパス(東京都)(一般発表・口頭)
    • 年月日
      2011-09-17
  • [学会発表] Functional analysis of MpLFY, the homolog of LEAFY in Marchantia polymorpha(シンポジウムSYM042 "Developmental genetics and cell biology of Machantia polym2011

    • 著者名/発表者名
      酒井友希, 宮下結衣, 宇山和樹, 辻井由香, 遠藤求, 石崎公庸, 大和和幸, 河内孝之, 荒木崇
    • 学会等名
      18th International Botanical Congress (IBC2011)
    • 発表場所
      Melbourne Congress and Exhibition Centre (Melbourne, Australia)(招待講演)
    • 年月日
      2011-07-25

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公開日: 2013-06-26  

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