研究課題
1)器官特異的CUC2誘導遺伝子の同定 CUC2の機能誘導系であるCUC2-GRおよび機能獲得型突然変異体cuc2-1dを用いてトランスクリプトーム解析の際のRNAの抽出条件を検討し、最適化を行った。2)CUC2作用領域の同定 培養細胞を用いたレポーターアッセイにより、CUC2が下流遺伝子に作用する部位を明らかにした。miRNA164耐性型のCUC2 cDNAを過剰発現させるコンストラクトをエフェクターとして用い、すでに同定されているCUC標的候補遺伝子であるSTM、LAS、KLUの調節配列に対してレポーターアッセイを行った。その結果STMのコード配列上流配列4.4kb断片内に二箇所のCUC2作用部位を同定できた。一方、LASおよびKLUに関しては培養細胞で顕著な活性を持つ調節配列を見いだせなかったが、GUSおよびYFPを用いた植物個体でのレポーター解析により、CUC2が発現する胚頂端部での活性に必要な領域を見出すことができた。3)CUC2相互作用因子の同定 心皮形成に関与する転写因子CRCに着目し、このタンパク質とCUC2との相互関係を明らかにすることを目的として、両者の遺伝的相互作用の解析を行った。その結果crcの表現型がcuc2との二重変異体では強められるが、cuc1 cuc2との三重変異体では抑制されることが明らかになった。この相互作用の原因を明らかにするため、各変異体での遺伝子発現解析と、CUC2-CRCタンパク質間相互作用の解析を行うための各種コンストラクトの作製と交配を進めた。また、予備的なY2H解析から、両タンパク質が物理的に相互作用することが示唆された。
2: おおむね順調に進展している
CUC2が下流遺伝子に作用する領域を特定できた。また、一方、器官特異的なCUC2誘導遺伝子の同定に関しては、RNA抽出の条件を最適化できた。さらに心皮特異的な転写因子CRCに着目し、CUC2との遺伝的相互作用を明らかにできた。
1)CUC2の機能誘導系を用いて器官特異的なCUC2誘導遺伝子の同定を行う。2)ゲルシフト解析により、CUC2結合配列の同定を進める。3)CRCとCUC2とのタンパク質間相互作用および遺伝子間の相互関係を明らかにする。4)CUC2相互作用因子について機能解析を進める。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 4件) 備考 (2件)
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