研究課題/領域番号 |
23370025
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山口 信次郎 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (10332298)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 植物 / 生理活性 / 発生・分化 / 有機化学 / 生体分子 |
研究概要 |
ストリゴラクトン(SL)は根から根圏に分泌され、アーバスキュラー菌根菌との共生に関わるアレロケミカルとして働くとともに、内生のホルモンとして腋芽成長(枝分かれの形成)を抑制する。これまでの申請者らの研究により、SLの根圏情報物質およびホルモンとしての機能は、植物の栄養獲得戦略と密接に関わっていることが明らかになってきた。本研究では、SLの枝分かれ抑制以外のホルモン機能とその作用メカニズムに関する新たな知見を得ることを目的とする。また、F-boxタンパク質が欠損したSL非感受性変異体max2がなぜSL生合成変異体(max1, max3, max4)と部分的に異なる表現型を示すのかを明らかにするため、その鍵となると考えられるD14LIKE遺伝子の生理機能解析を行なう。 昨年度までに、d14 d14like二重変異体、d14 d14like max2三重変異体がいずれもmax2単独変異体と類似した表現型を示すことを明らかにした。この結果は、SL応答に関わるD14とその類似遺伝子であるD14LIKEが、MAX2経路で機能することを支持している。本年度は、これらの変異体が遺伝子発現の面からも類似しているかどうかを検証するため、マイクロアレイによる比較を行った。その結果、これらの変異体における遺伝子発現プロファイルは、完全には一致しないものの類似していることが示された。一方、シロイヌナズナのロゼット葉の老化を調べる過程で、野生型植物では発達段階の異なる葉でその形態や重量が大きく異なるが、SL欠損変異体のロゼット葉は全体的により均一であり、重量や形態が類似した葉を多く着ける傾向にあることが分かった。以上の結果は、SLがそれぞれの発達段階の葉の形態的な特徴付けに関与している可能性を示唆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度はおおむね当初の研究実施計画にしたがって実験を進めることができた。また、ストリゴラクトン欠損変異体のロゼット葉は、野生型植物のそれと比較して形態や重量が全体的により均一であることが新たに見出された。
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今後の研究の推進方策 |
植物ホルモン類の定量分析を行ない、d14likeの表現型と既知植物ホルモンとの関連性を明らかにする。また、d14, d14likeおよびmax2の二重、三重変異体における植物ホルモン類の定量分析を行ない、これらの変異体の類似性を植物ホルモンプロファイルの面からも検証する。次に、ストリゴラクトン欠損変異体において観察された葉の老化の遅延が、最終的に植物の生育、特に栄養の転流にどのような影響を与えるのかを明らかにするため、野生型およびストリゴラクトン欠損変異体を低リン条件で栽培し、最終的な種子収量に関する詳細なデータを得る。また、ストリゴラクトン欠損変異体のロゼット葉の形態の特徴を定量的に解析する。
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