研究代表者らは、コルチゾルが温度依存的性決定に深く関与することを見出している。そこで本研究では、まず、高水温が及ぼすメダカ生殖腺への影響を調べたところ、高水温またはコルチゾル処理したXXメダカにおいて、fshr及びcyp19a1 mRNAの発現が抑制され、gsdf mRNAの発現が誘導されることが分かった。次に、これら遺伝子の機能解析を行った結果、GSDF過剰発現XXメダカにおいて完全な雄化が誘導された。これらの結果から、高水温によるメダカの雄化は、コルチゾルがgsdf mRNAの発現を誘導し、fshrやcyp19a1 mRNAの発現を抑制することにより引き起こされると考えられた。
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