捕食・攻撃など明確な意図で行われる目標指向行動は、高度な運動制御が必要であり、また目標への注意・動機づけなどの高次中枢機能も関わるため、その神経生理機構の解明は一般に非常に困難である。本研究では、甲殻類鋏脚の挟み行動を対象とし、生理学実験のためのオペラント条件づけの可能性を調査すると共に、その神経機構を細胞外多重ユニット解析法を用いて同定細胞レベルで調べた。その結果、視覚刺激を合図として挟み行動を開始させる実験プロトコルを確立し、視覚刺激に応答するユニット及び行動開始に先行するユニットを生理学的に同定した。これらは目標指向行動発現の中枢機構を解明するための重要な足がかりとなるものと期待される。
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