研究課題
サンガー法による、ミトコンドリア全ゲノム(ミトゲノム)分析によって、魚類の包括的系統枠の概要が明らかとなってきた。しかし、魚類多様化の理解を深めるには、分析種数をさらに多くし、系統樹の密度を高める必要性が明確になってきた。超並列次世代シーケンス技術により、多数試料のミトゲノム決定が可能となったが、多数種のDNAを扱うため、質の良くないDNA試料も頻繁に対象にすることになり、これを効率的に活用できない状況にある。本研究では、この困難をミトゲノム断片の濃縮法の適用により解決し、魚類の大規模系統研究の飛躍的高密度化を拓くことを目的とした。質の良いDNA試料については、ロングPCRによるミトゲノム濃縮を行い、サンプルのタグ付加にParallel tagged sequencing法(Meyer et al., 2008)を適用した。課題とした「アユの高精度集団構造」の解析のために、パーソナル次世代1ランで90個体のミトゲノム決定に成功した。この方法により、他にアゴハゼの82個体、ウキゴリ類の53個体、モロコ類の48個体、スゴモロコ類の48個体など、合計458個体のミトゲノムを決定できた。質の良くないDNA試料のミトゲノム断片の濃縮には、Capture-on-beads 法(Maricic et al., 2010)を適用し、サンプルのタグ付加には、Double indexing法(Kicher et al., 2011)を導入した。実際に、質の良くないアユのDNA試料数サンプルについて、ミトゲノム濃縮ライブラリーを作成し、次世代シーケンシングを行ったところ、アユのミトゲノム全領域を万遍なくキャプチャーすることに成功した。以上のように、2つの実験系の検討から、実験条件が明確となり、超並列シーケンシング法によって本格的な大量ミトゲノム分析を実施する基盤が完成した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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