研究課題
本研究ではヌクレオチド結合型及び反応中間体のV1-ATPaseのX線結晶構造解析や重要残に変異体の構造機能解析を行い、V型ATPaseのATP加水分解反応に伴った回転分子機構の解明を目的とする。当初研究計画に従って、下記の研究結果を得た。ヌクレオチド結合型V1-ATPaseのX線結晶構造解析ビアコアを用いてV1-ATPaseのAMP-PNP結合を調べたところ、高い親和性(K_D=5 nM)で結合することが明らかになった。200μM AMP-PNP存在下でV1-ATPaseの結晶化に成功し、解像度2.8A分解能を示すデータセットを得た。現在構造解析を行っている。反応中間体構造を示すV1-ATPaseのX線結晶構造解析反応中間体構造を示すV1-ATPaseのX線結晶構造を得ることを目的にリン酸アナログ(AlF_3)存在下で、V1-ATPaseの結晶化スクリーニングを行い、結晶を得ることに成功した。ヌクレオチド結合部位の変異V1-ATPaseの機能構造解析得られたV1-ATPaseの構造からヌクレオチド結合に重要と考えられる残基の変異体を3種類作製した。今後、これらの変異体の機能構造解析を行う。DG複合体結合部位の変異V1-ATPaseの機能構造解析得られたV1-ATPaseの構造から、DG複合体とA_3B_3複合体の接触面に位置し、回転反応に重要と考えられる5種類の残基の変異体を作製した。今後、これらの変異体の機能構造解析を行う。
2: おおむね順調に進展している
当初計画に従って進めることができたため、順調に進展していると考えている。
当初計画に従って研究を継続する。そして、ヌクレオチド結合型及び反応中間体のV1-ATPaseのX線結晶構造解析や重要残基変異体の構造機能解析を行い、V型ATPaseのATP加水分解反応に伴った回転分子機構を理解する。
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