研究課題/領域番号 |
23370047
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
村田 武士 千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (80415322)
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研究分担者 |
山登 一郎 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (70111458)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 分子モーター / 酵素反応 / V-ATPase / X線結晶構造解析 |
研究概要 |
本研究ではヌクレオチド結合型及び反応中間体のV1-ATPaseのX線結晶構造解析や重要残基変異体の構造機能解析を行い、V型ATPaseのATP加水分解反応に伴った回転分子機構の解明を目的とする。当初研究計画に従って、下記の研究結果を得た。 ヌクレオチド結合型V1-ATPaseのX線結晶構造解析---前年度の研究により、200μM AMP-PNP存在下でV1-ATPaseの結晶化に成功し、解像度2.7A分解能を示すデータセットを得た。今年度はX線結晶構造解析を行い、2分子のAMP-PNPが結合したV1-ATPaseの結晶構造を決定した。すでに得られていたヌクレオチド非結合型V1-ATPaseの結晶構造と比較することにより、ATPの加水分解のメカニズムモデルを作成した。 ヌクレオチド結合部位の変異V1-ATPaseの機能構造解析---前年度の研究により、V1-ATPaseのヌクレオチド結合に重要と考えられる残基の変異体を3種類作製した。今年度はこれらの変異体のATPase活性や複合体の安定性を明らかにした。 DG複合体結合部位の変異V1-ATPaseの機能構造解析---前年度の研究により、DG複合体とA3B3複合体の接触面に位置し、回転反応に重要と考えられる3種類の残基の変異体を作製した。今年度はこれらの変異体のATPase活性や複合体の安定性を調べた。その結果、DG複合体とA3B3複合体の結合に重要な残基の変異体は、野生型に比べATPase活性の初速が上昇していたが、複合体の安定性は低下していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画に従って進めることができたため、順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画に従って研究を継続する。そして、反応中間体のV1-ATPaseのX線結晶構造解析や重要残基変異体の構造機能解析を行い、V型ATPaseのATP加水分解反応に伴った回転分子機構を理解する。
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