研究課題
がんや骨粗鬆症の創薬ターゲットであるV型ATPaseはATP合成酵素(F-ATPase)と類似した構造をもつナノ分子モーター/プロトンポンプである。本研究ではヌクレオチド結合型及び反応中間体のV1-ATPaseのX線結晶構造解析や重要残基変異体の構造機能解析を行い、V型ATPaseのATP加水分解反応に伴った回転分子機構の解明を目的とする。当初研究計画に従って、下記の研究結果を得た。ヌクレオチド結合型V1-ATPaseのX線結晶構造解析---前年度の研究により、AMP-PNPが結合したV1-ATPaseのX線結晶構造解析を決定し、ヌクレオチド非結合型V1-ATPaseの構造と比較することにより、ATPの加水分解のメカニズムモデルを作成した。本年度はリン酸をソーキング法により導入し、リン酸がtight型に1分子結合したV1-ATPaseの結晶構造を得ることに成功した。ATP加水分解/合成の反応中間体構造に相当すると考えられた。ヌクレオチド結合部位の変異V1-ATPaseの機能構造解析---前年度の研究により、ヌクレオチド結合に重要と考えられる残基に関して、部位特異的変異体を3種類作成し、その性質を明らかにした。本年度は、新たな変異体を作成し、前年度同様にATPase活性への影響や、複合体の安定性等を調べ、その成果を論文にまとめた(SpringerPlus in press)。DG複合体結合部位の変異V1-ATPaseの機能構造解析---前年度の研究により、DG複合体とA3B3複合体の接触面に位置し、回転反応に重要と考えられる残基に関して、部位特異的変異体を3種類作成し、その性質を明らかにした。本年度は、新たな変異体を作成し、前年度同様にATPase活性への影響や、複合体の安定性等を調べ、その成果を論文にまとめた(PLoS ONE, 2013)。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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PLoS ONE
巻: 8 ページ: e74291
10.1371/journal.pone.0074291.t002
J. Biol. Chem.
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SpringerPlus
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