研究課題
ピリドキサール-5'-リン酸(PLP)は、アミノ酸を基質とする酵素反応に必須の補欠分子族である。様々なPLP酵素に共通の反応機構として、ミカエリス複合体を経てPLPとキノノイド中間体を形成するメカニズムが考えられている。しかし、中間体構造に基づいて証明されているわけではない。本研究では、代表的なPLP-酵素であるメチオニンγリアーゼ(MGL)の酵素反応機構を解明するため、一連の酵素反応中間体構造をX線結晶解析によって1.97~2.59 Å分解能で決定した。MGLはメチオニンをメタンチオールとαケト酸、アンモニアへの分解反応を触媒する酵素である。酵素反応中間体がMGLに結合した結晶は、リガンドフリーMGL結晶をメチオニン含有溶液に時間を変えてソーキングすることで調製した。結晶状態のMGLによって生成した反応中間体は、液体窒素で凍結して結晶内にトラップした。その結果、酵素反応中間体として、Michaelis complex、methionine-pyridoxal-5'-phosphate、methionine imine-pyridoxamine-5'-phophate、methionine α,β-enamine-pyridoxamine-5'-phophate、α- amino-α,β-butenoic acid-pyridoxal-5'-phosphateを見出すことができた。これらの中間体構造は、PLP酵素に共通の酵素反応機構が妥当であることを示すとともに、methionine α,β-enamine-pyridoxamine-5'-phophateは非酵素的にシグマトロピー反応によってからα- amino-α,β-butenoic acid-pyridoxal-5'-phosphateに変換されることを明らかにした。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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