ピリドキサルリン酸(PLP)を補酵素に持つ赤痢アメーバ由来メチオニンγリアーゼ(EhMGL1)の酵素反応機構の解明を目指し、リガンドフリー体、ミカエリス複合体およびEhMGL1結晶内にトラップした一連の酵素反応中間体(中間体-1~中間体-4)のX線構造を決定した。これらの構造から、PLP-酵素間(Lys205)のシッフ塩基がPLP-基質メチオニン間のシッフ塩基へ変化することで始まる酵素反応機構を中間体構造に基づいて実証できた。この機構は従来の研究で予想されていた機構と一致する。一方、反応の最終段階が[1,5]-シグマトロピー転移によって非酵素的に進むことを新たに明らかにできた。
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