NF-κBは炎症を制御する転写因子である。TNFαなどの炎症シグナルによりIκBキナーゼβ(IKKβ)が活性化されると、リン酸化されたIκBは分解されNF-κBが活性化され細胞死は抑制される。これに対して核内の IKKβは細胞死を促進する作用が認められた。核内のIKKβの機能を解明するために、肝細胞で細胞質のIKKβを欠損して核内にIKKβを発現するマウスを作成したところ、肝細胞のネクローシスと肝炎の増悪化が観察された。細胞質のIKKβをと核内のIKKβは細胞死と炎症応答で逆方向に作用することが判明し、さらにこの効果は発がんと連関することが判明した。
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