研究課題/領域番号 |
23370070
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
今元 泰 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (80263200)
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研究分担者 |
山下 高廣 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (50378535)
七田 芳則 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (60127090)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | ロドプシン / 赤外分光 / X線散乱 / 平衡 / 構造変化 / 一分子計測 |
研究概要 |
代表的なG 蛋白質共役型受容体(GPCR)であるロドプシンは、光を吸収すると構造変化を起こし、G 蛋白質を活性化する構造を獲得する。本計画では、ロドプシンを含めたGPCR はリガンドが結合していなくてもその構造ダイナミクスの中に潜在的に活性構造をとり得ると仮定し、その活性化メカニズムを構造平衡や構造揺らぎなどの観点から明らかにすることを目的としている。 23年度は網膜由来のロドプシンを用いて一分子計測を行ない、構造ダイナミクスを観察することに成功した。これを錐体視物質や構成的活性変異体(CAM)に応用するためには、培養細胞系で発現させたGPCRを用いた一分子計測を行なう必要がある。そこで24年度は、培養細胞で発現したロドプシンを蛍光ラベルし、一分子計測に用いる実験系を構築した。網膜由来のロドプシンには、化学修飾が可能なシステイン残基が二つ(Cys316とCys140)あるが、外節膜中ではそれぞれの溶媒露出度が違うので、加える蛍光色素(Alexa594)の量を調節することでCys316を特異的にラベルすることができる。同様の方法で発現ロドプシンをラベル化したところ、Cys316だけでなくCys140もラベルされることがわかった。活性化に伴って蛍光が増加するのはCys316に結合したAlexa594だけなので、Cys140がラベルされると精度が著しく低下した。そこで、Cys140をSerに変異させることで、Cys316を特異的にラベルすることができた。 C140S変異体をベースとして作成した構成的活性変異体(CAM)の構造ダイナミクスを一分子計測したところ、活性構造と不活性構造の間の構造変換の頻度が、野生型とは異なることがわかった。現在はバルク測定を組み合わせることで、構造平衡の違いの原因を検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
発現ロドプシンを用いた一分子計測の実験系が確立したため、今後はCAM、錐体視物質、眼外光受容蛋白質などに拡張できると思われる。また、X線散乱実験でも構造変化を検出する精度が向上してきているため、本研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
24年度に確立した系を用いて、生理機能が異なるGPCRの性質を構造ダイナミクスの観点から検討する。
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