研究課題/領域番号 |
23370072
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岩根 敦子 大阪大学, 生命機能研究科, 准教授 (30252638)
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研究分担者 |
渡邉 朋信 大阪大学, 免疫フロンティア研究センター, 招へい准教授 (00375205)
藤井 高志 大阪大学, 生命機能研究科, 特任研究員 (10582611)
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キーワード | アクチン繊維 / クライオトモグラフィー / 生物物理 / 生体分子 / 超精密計測 |
研究概要 |
近年のめざましい、装置開発の進歩に加え、アモルファスの環境下に蛋白質分子を凍らせる技術も向上し、電子顕微鏡観察で得られる立体像のコントラストが格段に向上した。今まで困難とされてきた15 nm程の細いアクチン繊維も分解能の良い構造解析が行えるようになったところである。多能性幹細胞から体細胞への分化過程におけるアクチン繊維の骨格構造の系統図は各分化ステージにおける細胞をアモルファス環境下に閉じ込め、その凍結切片をクライオエレクトロントモグラフィーの技術を用いて解析し、数理モデル化して作成する。 平成23年度は先ず、電子線が通り、生細胞の細胞骨格を細胞凍結切片を作成する事無く、観察可能な部位を用いての系の立ち上げを行った。ミオシンXがフィロポディア形成に深く関与していることを利用し、生細胞のフィロポディア部位をGFP-ミオシンXをイメージングしながら、生細胞内の構造解析を行った。具体的には、アフリカミドリサルの腎上皮細胞であるCos7細胞内で遺伝子導入約30時間後にトランジェントに発現しているミオシンXをGFPによる蛍光顕微鏡で位置を確認しながら、直ちにアモルファスの環境下で凍らせ、当該生細胞比較的細胞の厚さが薄いフィロポディアやラメルポディア部位の生細胞内構造解析をクライオエレクトロントモグラフィーの技術を用いて行った。一方、分化誘導観察系の構築として試験管内モデルとして広く利用され、未分化状態を維持し、分化を制御する事ができるマウスC2C12細胞を骨格筋細胞に分化させる試みを行った。生細胞の構造解析を行うための電子顕微鏡観察の系の構築がおおむね整った。一方、切片作製に関してもまずは染色組織切片から初め、クライオ組織切片作製の系を立ち上げつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
生細胞を電子顕微鏡のグリット上で元気よく培養し、アモルファス環境下で凍らせ、電子線を通すことが可能な細胞内の比較的厚さの薄いところを3次元で構造解析を行う系は当初の計画以上に進んだと考えられる。しかし、観察したい領域は細胞の厚さが薄いところに因らないため、切片作成が必要不可欠であるが、染色組織切片作製から系を立ち上げつつあるものの、非常に高度な技術並びに集中力が要求される。この点が多少計画にやや遅れていると思われるため。
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今後の研究の推進方策 |
細胞の切片作製は当初の想像以上に高度な技術が要求される事が解ったが、日本においてはこの領域の研究は研究者人口も少なく、知識、技術の情報交換もままならない。そのため、クライオ技術、超薄切片作製、免疫電顕の技術が進んでいるヨーロッパに出向き、是非最先端の技術習得並びに情報を収集したいと考えている。
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