近年、私たちの行った実験をはじめとするいくつかの研究によって、クロマチンは定説であった規則的な30 nmの構造を持たず、ヌクレオソーム線維が不規則に折りたたまれて構成されていることがわかってきた。この構造ではヌクレオソームは物理的な束縛を受けないため、よりダイナミックな状態であることが予想された。私たちは、ヌクレオソームの1分子イメージングにより、生きた動物細胞においてヌクレオソームが局所的にゆらいでいることを発見した。このようなヌクレオソームのゆらぎはタンパク質のクロマチンへのアクセシビリティを向上させ、ゲノム情報が検索される際にきわめて重要であると考えられる。
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