研究課題
真核細胞では、スプライシング反応によってpre-mRNAからイントロンが抜け落ち成熟したmRNAが生成する。スプライシングの初期反応では、U1 蛋白質RNA複合体(U1 snRNP)、U2AF蛋白質複合体(U2AF65,35)およびU2 snRNPの3種類の基本因子が、それぞれ5'スプライシング部位、3'スプライシング部位および、ブランチ部位に結合しイントロンの位置を決定する。さらに、pre-mRNA上の特定の塩基配列に結合した制御因子と、これら基本因子との相互作用によってスプライシング部位の選択に変化が起こり、ひとつの遺伝子から状況に応じた多様な蛋白質が作り出される。この現象は選択的スプライシングとよばれ、重要な生体制御システムのひとつである。本研究では、その制御メカニズムを構造生物学的な観点から明らかにすることを目指している。本年度は、複数のスプライシング因子が協同的に働きスプライシング反応を起こす例として、線虫のASD-1とSUP-12とターゲットとなるmRNAとの、三者複合体の構造解析をもとに生化学的な実験をおこない、ASD-1,SUP-12のふたつのRNA結合ドメインが協同的に働くことによってあらたな塩基認識部位を形作ことが明らかにした。現在、論文を作成している。また、スプライシング基本因子にあるSF3b49についてその、RRMドメインがタンパク質相互作用についても働いていることを明らかにし、学会発表を行っている。また、神経変性に関わるスプライシング因子TDP-43のRNA結合ドメインの構造決定から、そのドメインの安定性についての情報を共同研究に提供した。この結果は、投稿論文として発表している。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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J Biol Chem
巻: 288 ページ: 14886-905
10.1074/jbc.M113.451849