研究課題/領域番号 |
23370090
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
工藤 明 東京工業大学, 生命理工学研究科, 教授 (70178002)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 椎骨 / メダカ / 骨発生 / 硬節 / 脊索 / 変異体 / トランスジェニック |
研究概要 |
3種類の椎骨形成変異体について、変異体同士の掛け合わせ、また骨芽細胞関連遺伝子のプロモーターを用いて作成した各種トランスジェニックラインと変異体を掛け合わせたメダカを作成し、それぞれの椎骨形成不全がどの段階のどの細胞によるものかを、解析している。その結果、特にタイプ10コラーゲンプロモータートランスジェニックラインが、椎骨の未熟な骨芽細胞をトレースするのに適しており、椎骨形成に関わる硬節由来細胞と、脊索に存在する細胞のそれぞれの機能が明らかになってきた。 メダカ骨形成において、まだ基本的な骨の形作りがわかっていないために、哺乳類との比較が困難である。その基本的な骨形成について検討するために、哺乳類の骨形成のマスター転写遺伝子であるosterix, runx2のノックアウトメダカを、Tallen法で作成することを開始した。すでにosterixのノックアウトは成功しているので、ラインを確立することにより、魚類と哺乳類の骨形成機構の違いをあきらかにできる。 椎骨形成には硬節由来の細胞が必要であるが、硬節細胞の欠失をすることにより、この細胞の椎骨形成による機能があきらかになる。その方法としてcell ablation法を検討し、使える目途が立った。この方法と各種トランスジェニックラインを組み合わせることにより、骨発生のダイナミックなメカニズム解明が可能になる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
メダカ変異体の解析については、その変異による骨芽細胞分化異常を見ることができる新しいメダカトランスジェニックラインの作成に成功し、椎骨形成の新しいメカニズム解明が進む。また3種類のメダカ椎骨形成変異体の原因遺伝子がどのように関わっているか、順調に解明が進んでいる。さらに新しいノックアウトメダカを作成するTALLEN法や、特異的細胞を欠失するAblationの技術が開発され、椎骨形成を総合的に解析できる基盤が整った。
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今後の研究の推進方策 |
3種類のメダカ骨形成変異体の解析を進め、今年度中に論文として発表する。また新たな骨形成特異的ノックアウトメダカの解析により、魚類と哺乳類の骨形成機構の違いを明らかにし、脊椎動物共通の骨形成メカニズム解明に努める。
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