生きたまま細胞動態を追跡できるメダカの骨形成において、骨リモデリングの細胞学的解析により、咽頭歯骨再生と尾びれ骨折修復での新しい作用機作を発見する。 1.咽頭歯;メダカの喉奥に数百本ある咽頭歯は再生を繰り返し、歯は咽頭歯骨によって支えられており、咽頭歯骨もリモデリングする。このとき破骨細胞は骨芽細胞によって支えられており、この作用には新しい分泌因子が関与しており、この因子を明らかにする目的で、骨芽細胞のアブレーションを行った。その結果、破骨細胞が維持されなくなり、早い時期に消失した。この結果、この因子は破骨細胞の維持に機能することが明らかになった。さらに宇宙の無重力下ではこの咽頭歯骨のモデリング異常が見られ、骨量が2か月で24%減少した。この一つの原因としてミトコンドリアの機能異常が考えられた。 2.尾びれ修復過程ではRANKLに依存しない破骨細胞の出現が見られ、新たに破骨分化因子が想定できる。この因子の特性を検討した。TGFbeta阻害剤を修復初期過程で処理したところ、破骨細胞が減少した。この結果、破骨分化因子はTGFbetaで発現誘導される因子であることが明らかになった。さらに骨形成に関与するぺリオスチンの骨折修復における役割を検討するため、修復過程におけるぺリオスチンの発現を解析した。その結果2種類あるメダカぺリオスチンはそれぞれ独自に骨折に伴い発現誘導され、骨折修復に何らかの関与が考えられたが、その機能は異なっていることが明らかになった。
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