研究課題/領域番号 |
23370097
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
山岸 明彦 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (50158086)
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研究分担者 |
赤沼 哲史 東京薬科大学, 生命科学部, 助教 (10321720)
横堀 伸一 東京薬科大学, 生命科学部, 講師 (40291702)
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研究期間 (年度) |
2011-11-18 – 2014-03-31
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キーワード | 古細菌 / 真正細菌 / コモノート / アミノ酸少数化 |
研究概要 |
23年度に作成した、古細菌祖先型NDKと真正細菌祖先型NDK配列の中で最も耐熱の配列と最も耐熱性の低い配列を選択し、古細菌祖先型NDKと真正細菌祖先型NDKの中間の組み合わせを作製した。29配列を作製した。これらの変異型のいずれかが、全生物の共通祖先に対応するはずである。(どの配列と特定することはできないが)。 祖先型遺伝子合成とタンパク質発現精製と活性測定:推定した遺伝子のアミノ酸配列を大腸菌の髙使用頻度を用いて逆翻訳することで、大腸菌中で高発現した。ただし、繰返し配列はPCRエラーの要因となるので、その部位のコドンは第二の高頻度コドンと交換した。また、制限酵素部位を検索し、必要ない制限酵素部位はコドン変更で解消した。配列を発注した。修正し配列を確認した祖先型遺伝子を、発現ベクターに導入し、宿主で発現した。精製をおこない活性測定した。 耐熱性測定:耐熱性測定は、円偏光2色性(CD)測定から、タンパク質二次構造を評価する。温度を一定速度で上昇させ、タンパク質変性にともう二次構造の消失をCDで評価した。その結果、最も耐熱性の低下した祖先型酵素であっても95℃の耐熱性を示すことが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画が終了し、アミノ酸を削減する実験をすでに開始している。
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今後の研究の推進方策 |
1.昨年度までに作成した古細菌祖先型NDKと真正細菌祖先型NDKの中間の組み合わせの中から、最も耐熱性の高かった配列を基に、アミノ酸残基の単純化変異体を作製する本研究では、祖先型NDKを標的タンパク質として以下の方法で、アミノ酸残基数を減少させる。A. NDKの配列をいくつかに区分して、それぞれの区分に関して変異導入操作を行う。まず、NDKをタンパク質表面、及び内部に区分する。表面、内部を変異導入操作のしやすい適当な残基長に区分して変異導入を行う。B. 変異は、性質が類似した、またコドン表で第二文字の共通なアミノ酸を対象として、それらが相互に変換しうる様に変異導入をおこなう。これを繰り返すことにより、全領域に於いてアミノ酸欠損変異型(何かのアミノ酸の欠失したタンパク質)タンパク質を作製する。 2. アミノ酸単純化遺伝子合成とタンパク質発現精製と活性測定: 通常のPCRによる部位特異的変異導入法でアミノ酸単純化祖先型配列に修復する。修正し配列を確認したアミノ酸単純化遺伝子を、発現ベクターに導入し、適当な宿主で発現する。これまでの、祖先型変異酵素研究から、耐熱性の高い酵素は大腸菌内で効率よく上清画分に発現することが分かっている。精製や活性測定に関しては、NDKに関して既に精製、活性測定の経験を持つている。 3. 耐熱性測定: 本申請者は耐熱性測定の多くの経験を有している。耐熱性は機能面と構造面の両面から測定する。機能面は一定温度での熱処理後の残存活性を測定することから評価する。構造面では、円偏光2色性(CD)測定から、タンパク質二次構造を評価する。温度を一定速度で上昇させ、タンパク質変性にともう二次構造の消失をCDで評価する。これはこれまでの祖先型変異酵素研究で用いてきた方法である。
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