研究課題
1.古細菌祖先型NDKと真正細菌祖先型NDKの二つの完全祖先型タンパク質の作製に成功している。一方、祖先アミノ酸を一義的には推定できない事もよく知られている。そこで、まず、両共通祖先の配列をより詳細にしらべた。2.2番目に尤度(あるいは事後確率)の高いアミノ酸残基を採用した場合の配列を作製し、古細菌祖先型NDKと真正細菌祖先型NDKの性質を明らかにした。3.最も耐熱性の高い配列と最も耐熱性の低い配列を選択し、古細菌祖先型NDKと真正細菌祖先型NDKの中間の組み合わせを作製することから、全生物の共通祖先に対応するNDKの性質を明らかにした。その結果、全生物の共通祖先コモノートが75℃以上で生育していたことを明らかにした。以上1から3を論文発表した。4.最も耐熱性の高かった配列をもとに、アミノ酸残基の単純化変異体を作製することから、全生物の共通祖先以前のタンパク質の情報を得た。これまでにも、現存するタンパク質を標的タンパク質として、20種類よりも少数のアミノ酸によってタンパク質が形成可能かどうかを確かめる実験が行われてきた。しかし、その時に残されるアミノ酸残基は、非生物アミノ酸合成実験(Miller 1953)によって比較的容易に合成されるアミノ酸、あるいは、物理化学的性質に基づいて主観的に選ばれたアミノ酸が選択された。本研究では、祖先型NDKを標的タンパク質として以下の方法で、アミノ酸残基数を減少させた。20種のアミノ酸残基のうち10種をそれぞれ1種ずつ消失させた遺伝子を作成した。修正し配列を確認したアミノ酸単純化遺伝子を、発現ベクターに導入し、適当な宿主で発現し、精製、活性測定した。耐熱性を機能面と構造面の両面から測定した。20種のアミノ酸残基のうち10種をそれぞれ1種ずつ消失させても、活性と耐熱性を十分保持できる事が分かった。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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