研究課題/領域番号 |
23370102
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究分野 |
自然人類学
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研究機関 | 独立行政法人国立科学博物館 |
研究代表者 |
坂上 和弘 独立行政法人国立科学博物館, 人類史研究グループ, 研究主幹 (70333789)
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研究分担者 |
米田 穣 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (30280712)
溝口 優治 国立科学博物館, 人類研究部, 部長 (00110106)
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キーワード | 縄文時代 / 人骨 / 早期 / 前期 |
研究概要 |
平成23年度の研究実施計画としては、1)2008年調査までの小竹貝塚出土人骨3個体の形態学的な計測・観察を行う、2)2010年調査小竹貝塚出土人骨の整理作業を行い、ミトコンドリアDNA分析や年代推定・食性分析のための資料の採取を行う、3)クリーニングおよび修復作業の人材育成、4)岩下洞穴出土人骨の修復、5)修復が完了した頭蓋骨をCT撮影する、6)日本各地に保管されている、早期・前期人の形態観察および計測を行なう、の6項目を列挙していた。平成23年度は代表者および分担者が所属する国立科学博物館の移転および研究分担者の移動が重なり、上記の計画を遂行することに幾分かの障害が生じているが、計画にはあまり遅れが生じていない。具体的にみると、1)に関しては追加資料が発見され、追加資料も含めた分析を現在おこなっている。2)は整理作業は順調に進行し、ミトコンドリアDNAおよび食性分析の資料を採取ずみである。3)の人材育成は現在進行中であり、平成24年度には実務作業にとりかかることができる。4)の岩下洞穴出土人骨の修復は完成し、現在分析を行っている。5)のCT撮影に関しては、現在頭蓋骨の完形がまだ見つかっておらず、手をつけていない状態である。6)に関しては、長野県湯倉洞窟遺跡出土の早期人骨の調査と埼玉県夫婦岩岩陰洞窟遺跡出土前期人骨の調査を行った。また、小竹貝塚と同じく富山県出土の「上久津呂中屋遺跡」出土の早期人骨の調査を行い、報告書を作成した。また、小竹貝塚出土人骨では距骨および踵骨が残存している個体が多いことから、これらの骨を用いた新しい性別判定法を開発し、報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定であった計画は順当に遂行している。ただし、頭蓋骨のCT撮影に関しては、いまだ完形に近い頭蓋骨が見出されていないことから、実施できていない。
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今後の研究の推進方策 |
小竹貝塚出土人骨の整理および修復作業を進行させ、岩下洞穴出土人骨の報告書を作成する。
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