研究課題/領域番号 |
23370106
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研究機関 | 福岡女子大学 |
研究代表者 |
森田 健 福岡女子大学, 人間環境学研究科, 教授 (20326474)
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研究分担者 |
津村 有紀 純真短期大学, 栄養学部, 助教 (00457417)
若村 智子 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40240452)
福田 裕美 福岡女子大学, 人間環境学部, 助手 (50551412)
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キーワード | 光 / 睡眠 / 栄養学 / 生体リズム |
研究概要 |
健康的生活をおくる上での大きな問題である睡眠障害の一つの原因に、24時間化した現代都市生活がもたらす、メラトニンホルモンの分泌リズムを代表とするサーカデイアンリズムの乱れが指摘されている。従って睡眠障害の改善には、メラトニンリズムの改善が必須であり、それにはメラトニン合成の原料となるトリプトファン摂取量、およびその合成を律速する酵素活性を高める光刺激を適切に制御することが必要である。 本研究は、日常生活の中での食事、受光履歴および睡眠実態をメラトニン分泌挙動とともに把握し、睡眠障害改善と現代生活環境への適応を図る食・住生活スタイルの提案への基礎的知見を得ることを目的としている。本年度は、日常生活の中で経験する光環境の把握手法の検討、食生活実態の把握手法の検討、および大学生を対象とした光環境と食生活の睡眠への影響に関する予備実験を行った。日常生活の中で受ける光の量(エネルギー、照度)と質(分光分布)を、被験者に大きな負担をかけずに経時的に測定する携帯型分光照度計システムを、その測定上の問題点の把握調査を踏まえて確立した。また、食生活実態とその栄養素(特にトリプトファン関連)把握のプログラム検討を行ったが、有効なプログラム開発に至らず、市販ソフトを改善して使用することとした。また、これらの検討を基に、大学生を対象とした光環境とトリプトファン摂取改善の睡眠への影響確認を目的とした予備実験を行い、次年度の実験計画立案への知見を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
人が日常生活の中で受ける光の特性(量と質)を、被験者に大きな負担をかけずに経時的に測定するシステムがほぼ目的とするレベルで確立することができ、従来よりの受光の量的把握からより詳細な睡眠への影響を考察することが可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の予備実験においては、受光と食事によるトリプトファン摂取の改善が睡眠に反映する確証を得るところまではできなかった。次年度の実験実施においては、トリプトファン摂取量とタイミングについて再考するとともに、睡眠障害を感じている被験者も実験対象者として検討する。
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