研究課題
健康的生活をおくる上での大きな問題である睡眠障害の一つの原因として、24時間化した現代都市生活がもたらすメラトニンホルモン分泌リズムを代表とするサーカデイアンリズムの乱れが指摘されている。従って睡眠障害の改善には、メラトニンホルモンリズムの改善が必須であり、それにはメラトニン合成の原材料となるトリプトファン摂取量、およびその合成を律速する酵素活性を高める光刺激を適切に制御することが必要である。本研究は、日常生活の中での食事、受光履歴および睡眠実態をメラトニン分泌挙動とともに把握し、睡眠障害改善と現代生活環境への適応を図る食・住生活スタイルの提案への基礎的知見を得る事を目的としている。本年度は、朝に経口摂取したトリプトファンがどのような動態でセロトニンやメラトニンに変換されるかを把握することを目的として実験を行った。特に、トリプトファンが脳関門を通過する際に大型中性アミノ酸(LNAA)と競合することを考慮し、トリプトファン摂取量の差をサプリメントにより設定し、その他の食事内容、栄養摂取量は同一とした。男子大学生14名を被験者とし、トリプトファン摂取量(rich, poor)と日中の受光量(bright, dim)を組み合わせた4条件での血中トリプトファンとセロトニン、唾液中メラトニン分泌挙動を比較した。その結果、トリプトファン摂取量rich+日中の受光量bright条件における朝食後の血中トリプトファン挙動が、他の条件に比べて前進・増加傾向が推測される結果が得られた。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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