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2011 年度 実績報告書

ダイズの開花・伸育性に関与する遺伝子の発現ネットワークと環境応答の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23380001
研究機関北海道大学

研究代表者

阿部 純  北海道大学, 大学院・農学研究院, 教授 (00192998)

研究分担者 山田 哲也  北海道大学, 大学院・農学研究院, 助教 (70374618)
キーワード開花 / ダイズ / 感光性 / フィトクローム
研究概要

開花は、子実作物の生産性や適応性を規定する重要な要素であり、その分子生物学的な制御機構がシロイヌナズナやイネを中心に明らかにされつつある。しかし、ダイズにおける開花制御機構の理解は非常に限られている。本研究は、ダイズの感光性に関与するフィトクロームA遺伝子(E3およびE4)、フロリゲンを支配するFLOWERING LOCUS T(FT)遺伝子などに着目し、ダイズにおける開花関連遺伝子の発現ネットワークを構築して、その環境応答を明らかにすることを目的としている。本年度の実施計画では、フロリゲン遺伝子(GmFT2aおよびGmFT5a)の発現解析と塩基多型ならびに他の遺伝子との発現ネットワークの解明を目的とした。RNAシークエンス解析の結果、両フロリゲン遺伝子の発現は日長の変化に敏感に反応し、抑制遺伝子であるE1およびE1様遺伝子の発現と密接に関連した。一方、CONSTANS遺伝子の発現には異なる日長条件下で差異は認められなかった。野生系統から導入された非感光性を有する系統のGmFT2aのシークエンス解析を行った結果、プロモーター領域に複数のインデルが存在することが明らかになった。これらの初期の計画に加えて、DNAマーカーを用いて世界各地から導入された早生系統の主要な感光性遺伝子座の遺伝子型を同定し、E3座に新たな機能欠損対立遺伝子を見出すとともに、非感光性に関与する新たな遺伝子の存在が示明らかとなった。また、光周反応は、開花のみならず開花後の茎の伸長や登熟にも関与し、その反応にE3やE4遺伝子などフィトクロームAが関与する事が判明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

実験計画当初の目的は、ニつのフロリゲン遺伝子と他の遺伝子とのネットワークをE1遺伝子の欠失した品種で解析する事であった。初期の目的を達成する事ができたことに加えて、各遺伝子座の対立遺伝子を特定するDNAマーカーを開発し、多様な遺伝資源についてその遺伝子型を同定したところ、従来の報告にはない、新規の遺伝子に原因する非感光性が存在する事を明らかにすることができた。これは、ダイズにおける光周反応の多様性の全体像を理解する上で大きな前進をもたらす成果である。

今後の研究の推進方策

新規の感光性遺伝子が関与する非感光性系統の非感光性の分離様式を解析する。また、EcoTILLING法を利用して開花早晩性に関与するQTLの候補遺伝子を特定する。遺伝子発現解析を継続し、ダイズの開花に関与する主要な遺伝子の発現ネットワークを構築する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Genetic and molecular bases of photoperiod responses of flowering in soybean2012

    • 著者名/発表者名
      Watanabe S., K.Harada, J.Abe
    • 雑誌名

      Breeding Science

      巻: 61 ページ: 531-543

    • DOI

      10.1270/jsbbs.61.531

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26  

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