少ない肥料で生育できミネラルを多く含む形質をコムギに付与することは、肥料資源と地球環境保護、コムギを通じた人類へのミネラル供与に重要である。本研究では、異種染色体添加系統および一次合成コムギ系統のリンと亜鉛含量をICP分析装置によって測定した。添加系統を用いた実験では、種子含量が茎葉の含量と相関し、幼苗検定で選抜できることを明らかとした。一次合成コムギを用いた研究では、11元素を調査した。その結果、リン、亜鉛および鉄含量は相関があること、改良品種の含量は低いこと、含量と種子重とは弱く逆相関していることを見いだした。この結果より、野生植物の遺伝資源がコムギ育種に有用であることが分かった。
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