研究課題/領域番号 |
23380009
|
研究機関 | 南九州大学 |
研究代表者 |
陳 蘭庄 南九州大学, 環境園芸学部, 教授 (40284822)
|
研究分担者 |
吉田 薫 東京大学, 農学部, 准教授 (70183994)
鉄村 琢哉 宮崎大学, 農学部, 教授 (00227498)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | アポミクシス / 胚嚢始原生殖細胞 / ASG-1遺伝子機能解析 / シングルセル / ギニアグラス / RNAiコンストラクト / アラビドプシス / 遺伝子組換え |
研究概要 |
アポミクシス性ギニアグラス系統から単離されたシングル細胞の操作:アポミクシス性系統のN68/96-8-o-11を用いて大胞子母細胞周囲の珠心組織の体細胞、ターゲットのアポスポリー性胚嚢始原生殖細胞(AIC)を含む細胞の単離技術を確立したうえ、よりシングルでかつターゲットの細胞を容易に捕まえるような技術を確立するため、超微量電子スポイトであるピコピペットを用いて目標となる単離されたシングルのプロトプラストを操ることに成功した。これによって次に行うシングルセルを用いた一過性発現、AIC細胞の培養及びASG-1遺伝子の機能解析実験のために突破口を開いた。 発現遺伝子用ベクターの構築:RNA干渉法を用いてASG-1遺伝子の機能解析を行うため、RNAiコンストラクト用ベクター(ユビキチンプロモーター、奈良先端技術大学院大学の島本功研究室より譲渡)とRNAiコンストラクト用ベクター(35Sプロモーター、DEPARTMENT OF PLANT SYSTEMS BIOLOGY ,University of Gentより譲渡)をそれぞれ構築できた。次にそれらを用いてアポミクシス性ギニアグラスへの遺伝子導入実験を行う予定。 アラビドプシスを用いたASG-1遺伝子の機能解析:構築されたhsp :: ASG1 :: GFPのプラスミドを使って、Floral dip法による組換え体を作出し、得られたT2とT3世代を用いて形態的調査を行った。その中で、シロイヌナズナから単離されたRD22と40~50%で似ていると推定される.4SG1遺伝子機能の1つである耐乾燥性個体が得られた。いま、その検証実験を実施中。 ノーマルスキー微分干渉顕微鏡を用いた胚嚢分析法によるアラビドプシスの観察については、まず非組換え体の大胞子の出現から、胚嚢形成までの過程を明らかにした。いま、組換え体を観察中。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)アポミクシス性胚嚢始原生殖細胞(AIC)を含む細胞を単離し、超微量電子スポイトであるピコピペットを用いて目標となる単離されたシングルのプロトプラストを操ることに成功した。 2)ASG1遺伝子の機能解析を行うため、RNAiコンストラクト用ベクター(ユビキチンプロモーター)とRNAiコンストラクト用ベクター(35Sプロモーター)をそれぞれ構築できた。 3)一方、ASG-1遺伝子の機能解析については、得られたT2とT3世代を用いて形態的調査を行ったところ、シロイヌナズナから単離されたRD22の機能と40~50%で似ていると推定されるASG-1遺伝子機能の1つである耐乾燥性個体が得られた。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究は、来年度が後半の3年目に入るが、今までの研究計画や進め方は今年度の研究実績から見ると、ほぼ適当だと考えている。基本的に研究計画通りに進めたいと考える。 また、今後も研究分担者や研究協力者と密に連携を保ちながら、役割分担をしっかり明確し、研究の遂行に支障が出ないよう細心な注意を払いながら強力に推進したいと考えている。
|