研究課題/領域番号 |
23380010
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
國分 牧衛 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (40323084)
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研究分担者 |
鮫島 良次 東北農業研究センター, 農業気象研究グループ, グループ長 (70355452)
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キーワード | ダイズ / 高二酸化炭素 / 高温 / ダウンレギュレイション / 物質生産 / 草型 |
研究概要 |
これまでの研究において、高CO_2・高温条件下では生育初期には光合成が促進され物質生産量が増加するが、生育後半においては光合成能の低下と物質生産能が低下する、いわゆるダウンレギュレイション現象の存在が認められた。本研究では、高CO_2・高温条件下においてみられるダイズ物質生産能のダウンレギュレイション発生機構を解明し、高CO_2・高温条件に適応したダイズの育種・栽培技術の方向を呈示することを目的として実施した。そのため、ダウンレギュレイションの発生要因として、以下の3つの側面から解析した。 1)高CO_2によるソース能の変化 2)高温による体温の異常上昇と老化促進に伴う生殖器官の形成阻害 3)草型(伸育型)とダウンレギュレイション現象の関係 本年の主要な結果は以下のとおりである。 1)高CO_2による生育後半における光合成の低下は、環境条件によって変動すること、 2)高CO_2・高温条件下では気孔コンダクタンスと蒸散量の低下が認められ、そのことが萸形成を阻害している可能性があること、 3)無限伸育型系統は有限型系統に比べ、高CO_2条件下における生育後半の物質生産能が高いこと、 が明らかとなった。今後、体内成分の分析結果と合わせて考察を加える予定である
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ダウンレギュレイションの発生要因のうち、環境要因と草型の影響を解明しつつあり、残り2年の研究により、当初目標であるダウンレギュレイション機構の主要な発生要因が解明できると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
ダウンレギュレイションの発生要因を、環境要因と遺伝的要因(草型を中心として)の側面から継続して解析する。残り2年の研究により、当初目標であるダウンレギュレイション機構の主要な発生要因が解明できると思われるので、当初の研究計画の変更は必要ない。
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