研究課題
ササゲ(Vigna unguiculate (L.) Walp.)はアフリカ起源のマメ科作物であり、サハラ砂漠南部のサヘル地域では貴重なタンパク源となっている。ササゲは子実肥大期に乾燥ストレスを受けると、速やかな気孔の閉鎖による光合成の停止と、葉における糖含量の低下を起こすことが知られている。本研究では、子実肥大期における葉の栄養転流機構と乾燥耐性との関係について検討した。摘莢区では葉の老化は進行しなかったことから、子実肥大期のササゲは、糖含量の低下に続いて、窒素含量の低下が起こったことから、タンパク質と光合成器官に由来する窒素は糖の後に転流されることが示唆された。また、オートファジー関連遺伝子(ATGs)の発現増加は乾燥+摘葉区と乾燥区において特に顕著に観察された。即ち、オートファジーの誘導は乾燥ストレスによる葉の糖含量の低下によって引き起こされることが示唆された。また、葉における窒素含量の低下はスクロース含量の低下とATGsの発現の増加に引き続いて起こったことから、不溶性糖の分解と転流の時期とオートファジーによって分解された葉の栄養源が子実へと転流される時期は別々に調節されていることが示された。さらに、アミノ酸異化酵素関連遺伝子の発現は、オートファジー促進区においてオートファジーの発現と同時に促進された。このことから、葉における養分欠乏によってオートファジーが誘導され、その分解産物のアミノ酸プールが子実へ転流されるために、転流タイプのアミノ酸異化酵素関連遺伝子の発現が増加することが示唆された。以上のことから、ササゲでは、子実肥大期における乾燥ストレス下の葉の養分動態がオートファジーを調節していることを明らかにした。さらに、ダイズの発芽時における貯蔵物質の分解機構についても検討した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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J. Bot.
巻: 2013 ページ: 1-8
10.1155/2013/935479
http://www.agr.kyushu-u.ac.jp/lab/sakumotsu/gakunai.html