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2011 年度 実績報告書

湿害に強い大豆遺伝資源「植系32号」の耐湿性機作解明

研究課題

研究課題/領域番号 23380014
研究機関地方独立行政法人北海道立総合研究機構

研究代表者

鴻坂 扶美子  地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 農業研究本部・中央農業試験場, 研究主任 (30462394)

研究分担者 島村 聡  独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 東北農研センター, 主任研究員 (00391441)
前川 富也  独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター, 任期付研究員 (40409090)
中村 卓司  独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 作物研究所, 主任研究員 (60399425)
キーワードダイズ / 湿害 / 耐湿性 / 通気組織 / 品種間差
研究概要

大豆の耐湿性機作として考えられる根系組織への通気能、根の還元物質耐性、根粒の耐水耐性について耐湿性強の「植系32号」と弱の「トヨハルカ」について比較解析を行った。湛水処理についてはいずれも開花期から行った。根の通気能については、中央農試圃場に栽植した両品種の湛水処理を行い、根の活性を出液速度によりモニターし、出液速度に品種間差が認められた処理後3日目の根系及び茎基部組織の顕微鏡観察を行った。その結果、「植系32号」においても組織の形成は認められず、品種間差もなかった。東北農研センターにおいて、ポットで湛水処理を行った植物体の、2次通気組織を通じた地下部への酸素供給量の評価をガスクロマトグラフにより測定した結果、通気組織形成される2週間前後までの酸素供給量は「植系32号」の方がやや大きいが、通気組織形成後では大きな差異はなかった。根の根圏酸化力については、作物研において、ポットで2週間湛水処理を行った根の酸化力をα-ナフチルアミン法により測定した。その結果、根圏酸化力は、湛水処理により「トヨハルカ」で低下が認められたが、「植系32号」は低下が認められなかった。また、中央農試の圃場で根活性に差が認められた処理3日後の根圏酸化力は「植系32号」の方が高かった。これらの結果から、湛水処理開始後5日以内の短期的期間には、根の活性に差が認められるが、通気組織形成によるものではないと考えられた。根粒の短期的な湛水耐性については、中央農総研で根粒窒素固定(ARA)により測定した。その結果、両品種とも5日間の湛水で根粒活性が低下し、低下程度に品種間差はなかった。このことについては、測定条件を再検討する必要があると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

「植系32号」の耐湿性機作が、2次通気組織を通じた通気能ではなく、根圏酸化力にあることが明らかになった。但し、2次通気組織を通じない通気能が根圏酸化力の要因である可能性があり、この点については更に試験をして確認する必要がある。また、差が認められなかった根粒の短期的な湛水耐性については、測定条件を再検討して再度実施する必要がある。

今後の研究の推進方策

「植系32号」の根圏酸化力について、α-ナフチルアミン法により更に詳細に測定すると共に、溶存酸素計を用いた根圏の酸素濃度の測定、トレーサー酸素を用いて通気組織を通じない酸素供給の可能性について検討する。根粒の短期的な湛水耐性については、測定条件を再検討して再度実施する

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公開日: 2013-06-26  

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