研究課題/領域番号 |
23380014
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研究機関 | 地方独立行政法人北海道立総合研究機構 |
研究代表者 |
鴻坂 扶美子 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, その他部局等, 研究主任 (30462394)
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研究分担者 |
島村 聡 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, その他部局等, 主任研究員 (00391441)
前川 富也 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, その他部局等, 任期付研究員 (40409090)
平賀 勧 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, その他部局等, 主任研究員 (30332472)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | ダイズ / 湿害 / 耐湿性 / 通気組織 / 品種間差 |
研究概要 |
大豆の耐湿性機作として考えられる根系組織への通気能、根粒の耐水耐性、根の酸化力について、耐湿性強の「植系32号」と弱の「トヨハルカ」の比較解析を行った。湛水処理についてはいずれも開花期から行った。平成23年度圃場における湛水処理試験において、耐湿性弱である「トヨハルカ」と耐湿性強である「植系32号」間の出液速度の差が拡大した湛水処理開始後4~5日後の茎及び根の組織には品種間差は認められず、「植系32号」においても通気組織は形成されていなかった。即ち、通気組織が形成される前に根の活性に差が認められたことから、平成24年度については、短期的な応答反応として地上部から根系への酸素輸送について検討した。茎葉に重酸素を暴露した場合、水の重酸素の割合(Atom%)および標準平均海水(VMSOW)の同位体比(18O/16O)との差δ18O-VSMOWは1時間後には対照区、湛水区ともに茎葉で大きく増加したのに対して、根系ではほとんど変動しなかった。この事から、湛水に対する短期的な応答反応として、通気組織や地上部からの酸素供給はされておらず、酸素供給以外の生理的な反応が関与している可能性が高い。根粒の湛水耐性については、根粒の短期的な湛水耐性については、中央農総研で根粒窒素固定(ARA)により測定した。平成23年度の試験で差が認められなかったため、湛水処理期間を5日から3日に変えて再度試験を行った。その結果、湛水処理によりARAは0にまで低下するが、処理終了後の回復程度に若干品種間差が認められ、「植系32号」の方が回復程度が大きかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「植系32号」の耐湿性機作が、2次通気組織等を通じた酸素輸送にあるのではなく、根の生理的活性の差が主要因である可能性が高いことがわかった。このことは、根粒の短期的湛水耐性の結果とも一致する。但し、生理的活性の差のないようについては未解明である。α-ナフチルアミン酸法による根圏酸化力については、年次変動が認められた。
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今後の研究の推進方策 |
「植系32号」の根圏酸化力について、α-ナフチルアミン法を再試験すると共に、溶存酸素計を用いた根圏の酸素濃度の測定を用いて、湛水及び低酸素条件に対する呼吸の応答・耐性を調査する。根粒の短期的な湛水耐性については、測定条件を再検討して再度実施する
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