研究課題
本年度はPmDAM6-GR過剰発現リンゴ(DEX処理によりウメPmDAM6の機能が誘導される過剰発現リンゴ)を用いて、PmDAM6の機能誘導後の形質変化を詳細に調査した。萌芽およびシュート伸長時のDEX散布処理あるいは土壌処理により、シュート成長が著しく阻害された。また、DEX(+)によりDEX(-)と比較して頂芽着生が誘導されるものもみられた。以上の結果は、PmDAM6が休眠導入に関与する可能性を示唆している。また、PmDAM6はC末端にSRDX配列をもつ転写抑制因子であることが推定されるため、DEX処理4時間後に発現が有意に低下する遺伝子をRNA-seq法で探索した。その結果、複数の遺伝子について発現低下がみられたが多くは機能未知のものであった。今後は、DEX処理後の経過時間や生物学的反復を多くしたRNA-seq解析により、PmDAM6が直接的に制御するターゲット遺伝子を探索することが可能と考えられた。また、PmDAM6の休眠覚醒への影響を遺伝学的観点から調査した。休眠深度が分離した2つのウメF1集団を供試して、萌芽までの日数から休眠深度の季節的変化を評価するとともに、PmDAM6の発現量を経時的に測定した。その結果、休眠最深期(12月中旬)においては休眠深度と発現量に相関がないものの、休眠覚醒期(1月中下旬)においては休眠深度と発現量に正の相関がみられた(R2=0.72)。以上より、PmDAM6は休眠覚醒期において休眠深度に対し何らかの生理的役割を担っている可能性が示唆された。以上より、ウメPmDAM6遺伝子はリンゴにおいて強い成長阻害効果を示すことが明らかとなった。また、ウメの休眠覚醒期において、その成長阻害効果により樹体全体が休眠相から成長相へ移行することを阻害している可能性も考えられた。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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