研究課題/領域番号 |
23380019
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
吉田 裕一 岡山大学, 環境生命科学研究科, 教授 (00141474)
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研究分担者 |
後藤 丹十郎 岡山大学, 環境生命科学研究科, 教授 (40195938)
中野 善公 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 花き研究所, 研究員 (50442819)
村上 賢治 岡山大学, 環境生命科学研究科, 准教授 (40200266)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | イチゴ / パンジー / プリムラ / トルコギキョウ / トマト / FT遺伝子 |
研究概要 |
チゴについては,若齢苗や小苗では処理効果が低いことが明らかになり,非処理期間中の天候が不順で日射量が少ない場合や強度の遮光下においた場合には処理効果が不安定になることが示された。安定した効果を得るためには、十分な根量を持つ充実した苗を用いて,非低温処理条件下で十分な光合成を行わせることが重要なことが明らかになった。 夏季のトマトの第1花着生節位上昇抑制と、レタスの抽だい抑制について検討した結果,7月23日播種のトマトにおいては、3日/3日・4サイクル・10または15℃の処理により、第1花房着生節位が約1節低下した。ただし,開花時期にはさがみとめられなかった。7月31日播種のレタスにおいては、3日/3日・3サイクル・10℃の処理を行っても抽台を抑制/遅延する効果は認められなかったことから、処理温度や期間を変え効果があるか検討する必要がある。 今年度は,トルコギキョウ、パンジー、スターチス、プリムラ、ミニシクラメンを用い、適切な間欠冷蔵処理方法について調査した。プリムラでは、大苗の6日/6日,15日/15日間欠冷蔵処理で開花が著しく促進された。トルコギキョウでは、ロゼット回避の補完技術として利用できた。パンジーではわい化剤処理で徒長を抑制できた。スターチスでは花成誘導効果は小さかった。ミニシクラメンでは冷蔵温度は10℃が最適であった。 花芽誘導の指標として、イチゴの葉におけるFT遺伝子発現量を測定した。しかし、いずれの条件でも発現は低く、処理間の差は認められなかった。イチゴを含むバラ科植物では葉ではなく茎頂が環境応答しているという報告があり、次年度は茎頂部を用いて検討する。また、トルコギキョウの低温要求性の要因探索のため、低温処理を行った植物と無処理の植物を用い、マイクロアレイ解析を行った。現在データを解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
イチゴの処理効果発現に苗の成長量が大きく影響することが明らかになり,夏季に育苗する主要な花卉について、間欠冷蔵処理の温度反応、間欠冷蔵書リサイクル反応をおおよそ把握することができた.
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今後の研究の推進方策 |
イチゴについては,苗の齢/大きさが間欠冷蔵処理効果の発現に及ぼす影響について再度検討するとともに炭水化物栄養との関係について調査する。トマトについては,人工気象期を併用して処理サイクルと処理期間,並びに処理時期の違いが効果発現に及ぼす影響について検討する。プリムラでは、花芽分化促進効果を明らかにする。トルコギキョウ、パンジー、スターチスでは、適切な処理方法を明らかにする。ミニシクラメンでは、プラグ苗での処理方法を明らかにする。イチゴのFT遺伝子発現と花芽分化の関係についても引き続き分析を継続する。
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