研究課題
2011年3月中旬に台木として2年生のMKR1および‘富有’実生に‘富有’を接ぎ木し、2013年3月上旬に側枝および前年伸長した枝をすべて剪定して一本仕立てとした。一次伸長が停止した5月下旬に各苗の接ぎ木部の樹皮を約3cmの幅に薄く削り、篩部を露出させた後,ラノリンに溶かした5mg/mlのNPAを1樹あたり5ml塗布した。処理した部位は外部より水分が入らないように被覆した。発生した新梢は概ね7本に揃え残りは除去した。MKR1および‘富有’実生台苗ともにNPA処理,無処理を各4本供試した。処理は5月29日、7月2日および8月1日に行い、5月28日、7月3日および10月17日に新梢長を測定した。NPA処理前の5 月28 日において総伸長量は台木間で差が見られた。また、両台木苗ともにNPA処理によって総伸長量は抑制される傾向にあったが有意差は見られず、交互作用も確認できなかった。以上より、接ぎ木苗においてオーキシンの移動制限によるわい化の効果は認められなかった。昨年度の実験において、MKR1台木が穂木のDkFTの発現量に影響を及ぼしている可能性を示唆したが、本年度、再度検証したところ、昨年度の同様にMKR1台木樹は花芽分化期におけるDkFTの発現量が大きく、MKR1台木がDkFTの発現に影響を与えている確証が得られた。MKR1台木が穂木に与えるわい化の影響は根によるものなのか、接ぎ木部によるものかを明らかにするため、各種中間台木部を持つ2重接ぎ苗を圃場に定植し、成長調査行ったところ、中間台木部の種類に関わらず、MKR1を台木とすると、MKR1台木苗と同じ成長を示すことが明らかとなり、MKR1の矮化効果は接ぎ木部ではなく、MKR1の根によってもたらされることが明らかとなった。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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