研究課題
植物が病原体の感染を認識し、防御応答を誘導する初期過程では、一連のイオンチャネルカスケード、すなわち膜電位の脱分極、pH変化、Ca2+濃度変化と並んでCl-等の陰イオンの細胞外へのeffluxが誘導される。薬理学的解析から、陰イオンチャネルが情報伝達系において重要な役割を果たすと考えられるが、その分子的実体は未解明だった。S型陰イオンチャネルをコードするSLAC1をタバコ培養細胞BY-2に過剰発現させ、卵菌由来のタンパク質cryptogeinにより誘導される感染防御応答に対する影響を解析した。cryptogeinにより誘導される細胞外へのCl- efflux、活性酸素種生成、防御関連遺伝子の発現、過敏感細胞死等の一連の感染防御応答は、SLAC1過剰発現株で顕著に亢進され、その効果は陰イオンチャネル阻害剤により抑制された。植物免疫の活性化にSLAC/SLAHファミリーの陰イオンチャネルが関与することが初めて示唆された。植物免疫活性化剤は、サリチル酸(SA)経路に作用する数種しか報告されていない。我々は、培養細胞のROS生成パターンを指標とした簡便な植物免疫活性化剤の選抜方法を考案し、約11,000化合物からなるケミカルライブラリーを対象としたケミカルスクリーニングを行った。その結果、58種の化合物を植物免疫活性化剤の候補化合物として選抜した。植物体における応答性遺伝子の発現解析から、選抜化合物には、既知の植物免疫活性化剤と同様にSA経路を活性化する化合物だけでなく、ジャスモン酸(JA)経路や、両方の経路を活性化する化合物が含まれている可能性が示唆された。SAやJAの生合成やシグナル伝達経路の欠損変異体に対する候補化合物の効果を調べることにより、作用機構の解析を進めている。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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