研究課題
植物は病原菌の感染を認識した際、病原菌を構成する成分を、病原菌に特有な分子パターン(PAMP)として認識し、迅速な抵抗性反応を誘導する。このPAMPsの認識は、植物の細胞表面に存在する受容体を介して行われる。前年度までの解析により、イネのキチン受容体OsCERK1がキチンを認識して活性化されると、OsCERK1の細胞質キナーゼドメインに結合しているOsRLCK185をリン酸化することで、細胞内に情報を伝達していることが明らかになった。本年度、OsRLCK185のシロイヌナズナホモログとして、PBL27を同定した。PBL27も、OsRLCK185と同様に、シロイヌナズナのキチン受容体であるAtCERK1と細胞膜上で相互作用していることが明らかになった。また、in vitroリン酸化実験により、AtCERK1はPBL27を強くリン酸化することがわかった。そこで、PBL27の機能欠損変異体を単離し、キチンに対する応答を解析したところ、PBL27変異体では、キチンに応答したMAPKの活性化や防御遺伝子の発現が抑制されていることが明らかになった。一方、フラジェリンペプチドflg22に応答した防御応答に関しては、PBL27変異体と野生型の間で差が見られなかった。これは、in vitroリン酸化実験により、flg22認識受容体複合体の構成因子であるFLS2やBAK1により、PBL27がリン酸化されないことと一致していた。このように、イネとシロイヌナズナには、非常に似たキチン信号伝達機構が存在していることが明らかになった。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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