ジャスモン酸を処理した植物より、テルペン化合物のスクラレオールを単離した。スクラレオールを処理した植物では、ネコブセンチュウの侵入数が有意に低下し、植物体内のエチレンが上昇した。シロイヌナズナのエチレン欠損体(ein2-1)にスクラレオールを処理して野生株と比較すると、ein2-1株ではネコブセンチュウ侵入抑制効果がなく、ニグリンが集積せず、リグニンの生合成に関与する遺伝子経路の発現がなかった。リグニンの蓄積が起きないシロイヌナズナ変異体(ccr2)にスクラレオールを処理したときにも、線虫の侵入は抑制されなかった。スクラレオールの線虫抑制機作は根の硬化誘導による侵入阻害だと示唆される。
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