研究課題
基盤研究(B)
当初計画通りオオモンシロチョウのFISHマッピングより着手し、卵母細胞および精母細胞減数第一分裂前期のパキテン期に認められる14対の常染色体上に合計42カイコ単一遺伝子のオルソログを含むBACのマッピングに成功した。14常染色体のうち12染色体上に複数オルソログを41マップした結果、マイクロシンテニーが認められたのは2組(計4オルソログ)で、レアレンジメントが起こったにも関わらず同一染色体上に対応関係を残すオルソログが1組(2個)認められた。少なくとも35/41の非相同染色体間のリアレンジメントがあった。オオモンシロチョウでは、他の鱗翅目昆虫で認められるシンテニーの崩壊が明らかとなった。コナガのカイコ単一遺伝子オルソログ保有BACによるFISHマッピングを開始した。しかしながら、分子連関解析によるコナガの遺伝子マッピング情報論文が発表され重要性がやや薄れた。故に、この研究を一時中断し、この時間を来年度に予定したヒゲナガカワトビケラの採集とBACライブラリー作成に当てた。ライブラリー作成に十分な個体数を確保できたため、一部cDNAライブラリーの作製にも振り分けた。コウモリガの採集と飼育は予定通り行い、ライブラリー作製に必要な蛹の凍結標本をストックした。この標本を使用して現在BACライブラリーの作製を行っている。当初申請した額よりも配分額がカットされたため、cDNAライブラリーの作製を外部委託するのに必要な資金確保が叶わず、ヒゲナガカワトビケラとコウモリガ双方のライブラリーを独自に作製し、現在シークエンスを行っている。
2: おおむね順調に進展している
当初予定した計画はコナガのマッピングを除き計画通りであり、コナガ分については25年度計画を繰り上げて実施しているため。
当初申請金額からカットがかなりあったため、シークエンス情報取得のための資金繰りが困難である。これをカバーするためcDNA作製を進学術領域の「ゲノム支援」に求めたが叶わなかった。至急に行う研究意義の薄れたコナガのマッピングを省き、その予算を充てる。もしくは、別途予算獲得を考慮している。
すべて 2011
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (1件)
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