研究課題
盛岡周辺の河川において採集した毛翅目昆虫のヒゲナガカワトビケラ蛹個体からHMW-DNAプラグを作製した。制限酵素処理とそのパルスフィールド電気泳動(PFGE)結果からBACライブラリー作製が可能である純度を持つと判断された。PFGEゲルより2種類のHMW-DNAを切り出し、エレクトロポレーションにての形質転換を行った。3種類の方法で作製されたBACクローンは合計で、42,468形質転換コロニーが得られ、それぞれ32クローンのインサートサイズを求めた。インサートがないか極めて短いと判断された4クローンを除き、92クローンの平均インサートサイズは65.2Kbであった。最終的に32,256のシングルコロニーを385ウエルプレート84枚にストックし、ヒゲナガカワトビケラライブラリーが完成した。ヒゲナガワカトビケラcDNAライブラリーの配列情報から260個のカイコ単一遺伝子のヒゲナガカワトビケラオルソログを特定し、STSプライマーを用いたPCRによって57BACを選抜した。これらBACを用いて、Z染色体と12常染色体を同定し、さらに、毛翅目昆虫で初となるカリオタイプに成功した。ヒゲナガカワトビケラBAC-FISHマッピングデータとカイコゲノム情報に基づき、両者の染色体対応関係を明らかにした。ヒゲナガカワトビケラ卵原細胞と精原細胞の分裂中期における染色体数は、それぞれ2n=25とn=26とカウントされた。上記のZ染色体を同定できるBACを用いたFISHより、雌減数分裂における性染色体はユニバレントを形成しており、本種の性染色体構成が雌ではZ、雄ではZZであると判明した。これは雌雄における染色体数の差異と一致する結果である。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Insect Biotechnology and Sericology
巻: 84 ページ: in press
in press
蚕糸・昆虫バイオテック
Plant and Cell Physiology
巻: 56 ページ: e9
10.1093/pcp/pcu188