研究課題
大粒品種である秋田63号をモデルに、超多収の実証と多収理論を構築することを目的とした。本年度は最終年度になるので、以下2点について、研究を集中的に行った。1)秋田63号の親品種(父:秋田39号、母:オオチカラ)を含めて、引き続き圃場での多収解析を行った。すなわち、秋田63号は、秋田39号より粒重が30%ほど重く、総モミ数に差がなく、総モミ数に関しては、オオチカラの約2倍増であることを確認した。このことが、秋田63号が多収性を示す最大要因であることが、3年にわたる圃場実験で実証された。2)秋田63号の多収要因である大粒を決定している遺伝要因の同定を行うとともに、その要因の収量などに与える影響について明らかにした。秋田63号と岩手75号とのF2個体を水田で栽培し、玄米の長さと幅、籾重を測定した。F2個体における玄米の長さと玄米重の分布は、明確な2つのピークを示した。また、玄米の長さと玄米重の間には極めて高い正の相関が認められた。この玄米の長さを支配している遺伝要因を同定するために、多型を示すDNAマーカーの探索を行った。2,000以上のDNAマーカーの内、48個のDNAマーカーが多型を示した。これらのDNAマーカーを用いて、玄米の長さと玄米重について連鎖解析を行ったところ、第3染色体に有意な連鎖が認められた。また、F5個体を用い収量構成要素を調べたところ、多収性と玄米の長さには明確な相関が見られ、この遺伝要因が秋田63号の多収を決定していることが確実となった。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 3件) 備考 (1件)
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http://www.agri.tohoku.ac.jp/syokuei/index-j.html