研究課題/領域番号 |
23380049
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
村田 幸作 摂南大学, 理工学部, 教授 (90142299)
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研究分担者 |
橋本 渉 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (30273519)
三上 文三 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (40135611)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | ABCトランスポーター / 酸性多糖輸送 / Sphingomonas属細菌 / X線結晶構造 / 輸送体分子進化 |
研究概要 |
グラム陰性細菌(Sphingomonas sp. A1)のペリプラズム局在基質結合タンパク質は、細胞外膜から内膜に基質(アルギン酸)を輸送する機能を有し、ABCインポーターと接触して基質を受け渡した後、ABCインポーターから遊離する。従って、基質結合タンパク質とABCインポーターは、過渡的複合体を形成する。しかし、本研究が対象とする多糖の様な高分子物質の輸送に関わるABCインポーターと基質結合タンパク質との過渡的複合体の高次構造は決定されていない。そこで、両者の相互作用に関わる構造要因と高分子物質輸送機構を解析した。ABCトランスポーターをリポソーム内に再構成した後、結晶を調製しX線結晶構造に供した。ABCトランスポーターにおいて、膜貫通タンパク質は、基質結合タンパク質側は閉じており、ATPase側は開いており、全体としてInward Facing構造をとっていることが分かった。つまり、基質を結合した結合タンパク質がInward Facing構造のインポーターに接触し、その後、ATPの結合に伴い、結合タンパク質がドメインを開くと共にインポーターもOutward Facing構造に変化し、基質がインポーターに受け渡され、次いで、ATPの加水分解により基質が細胞質に輸送されることを明らかにした。今回構造決定したABCインポーターは、全体構造としてはマルトーストランスポーターと類似しているが、局所的に異なる点が見られた。先ず、結合タンパク質の相互作用様式が異なること、また、最大の相違点として、アルギン酸インポーターで認められる基質結合トンネルはマルトーストランスポーターに存在しないことである。これは、アルギン酸インポーターが長鎖アルギン酸を基質とすることが要因と考えられる。今後、ATPが結合したOutward Facing型を示す構造モデルを構築し、高分子アルギン酸がどのように輸送されるかを明らかにしなければならない。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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