研究課題/領域番号 |
23380057
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
中村 研三 中部大学, 応用生物学部, 教授 (80164292)
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研究分担者 |
石浦 正寛 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 教授 (20132730)
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キーワード | 植物種子 / 油脂 / 遺伝子発現抑制 / ルシフェラーゼ発光 / 突然変異体 / オレオシン / 次世代シーケンサ |
研究概要 |
DGAT1p::LUC導入植物とOleS3ρp::LUC導入植物の中から、導入遺伝子が1コピーで、発光強度が適切な株を選抜して多くの自殖種子を得た。DGAT1p::LUC導入植物を更に35Sエンハンサーを4コピーもつT-DNAで形質転換してアクティベーションタグラインを作成し、ハイスループット生物発光連続モニター装置を使って約29万のT2幼植物体のスクリーニングを行い、発光の強い一次変異株候補258ラインを得た。その46ラインのうち17ラインは果実での発光も強く、さらにその中の6ラインは果実当たりの油脂含量も高かった。その一つについては原因遺伝子を同定し、残りの一次変異株候補も含めて解析を進めている。また、EMS処理したDGAT1p::LUC導入植物種子2000個から得たM2幼植物体2万個体をハイスループットモニター装置でスクリーニングし、元株よりも発光強度の弱い一次候補115ラインを得た。各ラインの自殖種子約40個体の発光をモニターし、後代でも発光レベルの低い変異株候補を17ライン得た。その殆どは果実での発光も低く、種子油脂含量も低下していた。次世代シーケンサを使った原因遺伝子同定のための解析ソフトに改良を加えているが、多くの変異株は多数の変異を含み、原因遺伝子同定は困難が伴うと危惧された。野性型株ではOleS3p::LUC遺伝子は発芽直後に一過的な発現の後に消失するが、hsi2変異株やhsi2 hsl1二重変異株では発芽後に発光が増加し、発芽後のOleS3の発現抑制に関わる変異株スクリーニングに優れた系であることを確認し、EMS処理したOleS3p::LUC導入植物種子からハイスループットモニター装置を使って、発芽後の芽生えでも発光を示す多くの一次変異株候補を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ハイスループットモニター装置を使ったスクリーニングによってDGAT1p::LUC導入植物についてはエンハンサータグラインとEMS処理種子からの両方について、またOleS3p::LUC導入植物についてはEMS処理種子から、多くの変異株候補を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
計画通りに、一次変異株候補について後代での表現型の確認、DGAT1p::LUC導入植物については登熟種子での発現と種子油脂含量の解析を行って変異株を絞り込んで原因遺伝子の同定へと進む。EMS由来変異株については直接次世代シーケンサを使った原因遺伝子の解析が困難がラインが多いことから、染色体マッピングや表現型解析を進める。
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