研究課題/領域番号 |
23380057
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
中村 研三 中部大学, 応用生物学部, 教授 (80164292)
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研究分担者 |
石浦 正寛 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 教授 (20132730)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 植物種子 / 油脂 / 遺伝子発現抑制 / ルシフェラーゼ発光 / 突然変異株 / オレオシン |
研究概要 |
EMS 変異源処理した DGAT1p::LUC 植物種子から、全自動LUC連続発光モニタリング装置を使い、次世代の芽ばえでもLUC発光が有意に低下した突然変異株候補を多数えた。それらの中で、10-2D12 変異株は次世代でもLUC発光が低下し、種子登熟期のLUC発光と種子油脂含量の低下も認められ、マッピングによって2番染色体上にあるAT2G45380 遺伝子の近傍に原因遺伝子が位置することが示唆された。また、1-9B7 変異株は、種子の油脂含量の低下も顕著であり、中部大学に導入された高感度連続モニター装置を使って低LUC発光を示すF2ラインのスクリーニングを終えた。EMS処理したOleS3p::LUC 導入株種子から、種子発芽後にOleS3p::LUCが脱抑制を受けて発現する突然変異株の大量スクリーニングを行い、これまでに約12万株の植物から、発芽後のLUC発光の経時変化に異常を示す約50株を選抜した。その他に、LUC発光の経時変化に異常を示し、生育に著しい異常を示す変異株も多く見られた。次世代でも表現型が再現されたものについて、二次スクリーニングを通して変異株の発光の経時変化による分類仕分けを進めており、一方で改良を進めた次世代シーケンサのシーケンス情報解析ソフトを使った解析の準備を進めた。また、今年度新たに、OleS3p::LUCを導入した hsi2-2 変異株の中で見られる発芽後のLUCレポーター遺伝子の脱抑制が回復する復帰変異株候補の大量スクリーニングも行い、約2万個の植物をスクリーニングして、hsi2-2 変異株の中では見られなくなったOleS3p::LUCの発芽後の一過性発現のピークが一部回復した変異株候補を得た
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全自動LUC連続発光モニタリング装置を使った大量スクリーニングはほぼ予定通りに進めることができただけでなく、今年度当初計画になかったhsi2-2 変異株の中で見られる発芽後のLUCレポーター遺伝子の脱抑制が回復する復帰変異株候補の大量スクリーニングも行い、変異株候補を見つけることができた。このように大量スクリーニングはほぼ順調にすすみ、変異株候補の収集は進んだ。その一方、変異株プールに直接次世代シーケンサを使って原因遺伝子を網羅的に同定する試みは難しい状況にあり、シーケンス情報解析ソフトの改良と変異株の分類仕分けを進める一方で、古典的なマッピングによる原因遺伝子同定も並行して進めている。
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今後の研究の推進方策 |
DGAT1p::LUC の活性化因子探索のために、DGAT1p::LUC植物種子から得られた低発光変異株、10-2D12と1-9B7、は種子の油脂含量の低下も顕著であり、マッピングによる原因遺伝子同定を最優先に進める。種子発芽後にOleS3p::LUCが脱抑制を受けて発現する突然変異株約50株については、表現型による分類を進め、類型化集団について次世代シーケンサによる解析を行うと共に、表現型の顕著なものについてはマッピングによる原因遺伝子同定も進める。hsi2-2 変異バックグラウンドで発芽時のOleS3p::LUCの脱抑制が回復する復帰変異株候補については、表現型の解析を中心に進める。
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