研究課題
季節に伴う2PE生合成経路の変化と気温、大気圧、日照時間、湿度の変化を照合した結果、気温および大気圧が [2H7]-2PEの生成量を変化させる環境要因の一つであることを推定した。そこで本研究では、AT routeの活性が温度上昇によって亢進することで [2H7]-2PEが増加するとの仮説の基、(1) AT routeを亢進させる環境要因および (2) 季節変化の分子機構について検証した。(1) AT routeを亢進させる環境要因の検討: バラ花弁に対し4°Cおよび30°Cの温度処理を行い、生成する [2Hn(n=7,8)]-2PEを定量した。その結果、処理時間に伴い [2H7]-2PEの生成量が4°C処理で減少し、30°C処理で増加した。これらの結果から、気温が2PE生合成経路の季節変化をもたらす環境要因の一つであることが強く示唆された。(2) 季節変化の分子機構の解析: 夏季および高温下ではAT route上の酵素 (AAAT、PDC) の発現量が上昇し、冬季および低温下では発現量が低下するとの仮説を立てた。この仮説を検証するため、夏季・冬季に採取したバラおよび4°C・30°Cで温度処理したバラを用いて、AAATおよびPDCのRNA-seq解析を行った。その結果、AAATの発現量は温度変化に関わらず一定であった。また、PDCは夏季および30°C処理では予測に反して発現量が減少していた。以上のデータより、温度の違いによるAT routeの活性の変化は、生合成酵素遺伝子の転写レベルの相違によるものではなく、翻訳後修飾、酵素活性等に起因することが示唆された。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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