研究課題
1.フコキサンチンの抗肥満作用の分子機構解明:フコキサンチンの抗肥満作用は、白色脂肪組織(WAT)でのUCP-1の発現誘導に特徴がある。そこで、この発現誘導機構について検討し、1)WAT内のβ3ARの発現上昇と細胞内のcAMPをメディエーターとするシグナル伝達の活性化、これによるPGC-1発現量の増加;2)転写制御因子であるPPARαおよびγの発現上昇;3)C/EBPβの発現上昇によるUCP1の直接的な転写促進;4)心臓から分泌されるANPおよびBNPの血中濃度の上昇と、NPRA-p38MAPKを介した経路の活性化の4経路を明らかにした。また、本研究では、フコキサンチン代謝物によるWAT中のミトコンドリア増生作用も見出した。これらの分子機構により、フコキサンチンによるWATのBAT化が誘発されていると考えられた。2.フコキサンチンによる血糖値改善効果の分子機構解明:フコキサンチン代謝物は骨格筋細胞で、Akt経路とAMPK経路の活性化を介してGLUT4の発現亢進作用と細胞膜移行促進作用すること、また、その効果は、骨格筋の種類によっても異なり、ヒラメ筋においてはGLUT4の細胞膜移行の亢進が、長趾伸筋ではGLUT4の発現量の増大が誘発されやすいことを明らかにした。3.各種カロテノイドの生理作用の特徴:アレン構造とアセチレン構造を有するカロテノイドを調製し、それぞれの生理作用について検討した。その結果、WATにおける脂肪蓄積抑制効果はアレン構造を有するカロテノイドに特徴的であり、その中でもフコキサンチンが特に強い効果を有すること、UCP-1の発現誘導もフコキサンチンのみに特異的であることが明らかになった。一方、アセチレン構造を有するカロテノイドは他のカロテノイドよりも強い抗炎症作用を示すことが分かった。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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