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2012 年度 実績報告書

胆汁を介さない新たなコレステロール排泄機構の解明と食品成分による制御

研究課題

研究課題/領域番号 23380071
研究機関東北大学

研究代表者

池田 郁男  東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (40136544)

研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2014-03-31
キーワードコレステロール / 胆汁 / 小腸 / 小腸灌流 / コレステロール排泄
研究概要

コレステロールの小腸内腔への分泌は胆汁経路で起こるとされているが、本研究では胆汁経路以外の経路でのコレステロール分泌を明らかにすることを目的とする。前年度に確立したin situ小腸灌流法を用いて、胆汁経路以外でのラット小腸内腔へのコレステロール排泄量を評価した。合成飼料をラットに投与し、胆管にチューブを挿入し胆汁を集めながらin situ小腸灌流手術を施し、6時間後に胆汁および小腸内腔へ分泌されたコレステロール量を測定した。その結果、小腸内腔へのコレステロール分泌が認められた。その量は6時間胆汁へ分泌されたコレステロール量の1/2前後であった。そこで次の試験では、小腸内腔への経時的なコレステロール分泌量を測定した。同様の手術を施し、2、4、6時間後に屠殺し分泌量を求めた。しかしながら、経時的増加が認められず、更なる検討が必要と考えられた。次に、小腸に発現するコレステロール輸送体であり、コレステロール排出に関わるATP-binding cassette (ABC) transporter G5およびABCGG8の発現を亢進するliver X receptor(LXR)のアゴニストの影響を調べた。ラットに対照食および対照食にLXRアゴニストを添加した食餌を2週間与え、胆管にチューブを挿入し、in situ小腸灌流手術を施し、4時間後の小腸内腔へのコレステロール分泌を調べた。しかし、1回目の試験では、何らの影響も見られなかった。そこでLXRアゴニスト投与量を増量し再試験を行った。その結果、LXRアゴニスト投与群で対照群よりもコレステロール分泌量は高い値を示し、その量は、対照群の約2倍であった。これらのことから、胆汁経路以外に小腸内腔へ分泌されるコレステロールの少なくも一部は、ABCG5/ABCG8経由で引き起こされることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

実験計画では、小腸内腔へのコレステロール分泌に対するPPARδの影響を調べることとなっていたが、研究実績に記述したように、LXRアゴニスト投与試験が1回目ではうまくいかず、2回試験を行ったため、研究が遅れている。また、コレステロール分泌の経時的な分泌量増加に関しても再試験の必要がある。

今後の研究の推進方策

経時的な分泌量増加に関しては、LXRアゴニスト投与条件で再度試験する。
また、PPARδのコレステロール分泌への影響をin situ小腸灌流試験で明らかにする。
さらに、食餌の影響を調べることとする。
食餌成分としては、コレステロールおよび緑茶カテキンとする。
すなわち、ラットのコレステロール添加あるいは無添加食を与え、in situ小腸灌流試験でのコレステロール分泌量を調べる。また、コレステロール添加食に緑茶カテキンを添加した食餌を与えたときの、in situ小腸灌流試験でのコレステロール分泌量を調べ、食餌が胆汁経路以外の小腸内腔へのコレステロール分泌に影響するのかを明らかにする。

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公開日: 2014-07-24  

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