研究課題/領域番号 |
23380074
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
門脇 基二 新潟大学, 自然科学系, 教授 (90126029)
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研究分担者 |
藤村 忍 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (20282999)
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キーワード | オートファジー / 栄養学 / 細胞・組織 / LC3 / アミノ酸 |
研究概要 |
昨年度は、最も基本となるオートファジーマーカーLC3を用いたCytosolic LC3 Ratio法について、細胞種、細胞分画法、特異抗体など複数の原因により問題が生じ、その解決に半年以上を費やしたため、進展が遅れている(一応上記の問題は解決された)。 A.肝細胞でのオートファジー調節(この項は門脇が担当) 1.アミノ酸による抑制的制御機構--(a)アルギニンによる制御機構:Rat Hepatoma H-4-IIE細胞で、他のアミノ酸と異なるアルギニン独自のNO経路による制御が明らかになった。(b)アミノ酸シグナリングでのROS関与の可能性:アルギニン以外のアミノ酸について、ROS関与の可能性を検討し、まず栄養飢餓によるROSの関与は証明できた。アミノ酸による調節経路はアミノ酸の種類によりROSの調節とオートファジー調節が、個別のアミノ酸により異なることが示された。(c)アミノ酸のLC3 mRNA発現段階での調節:MAP1LC3βmRNAの発現はアミノ酸により制御されることが明らかになった。そのタイムコースはCytosolic LC3 Ratioよりかなり遅く、独立した調節であった。 2.ビタミンC、Eによる促進的制御機構--ビタミンC、Eのオートファジー促進作用の機構解明にあたり、抗酸化物質であることから、ROSの関与の可能性を検討中である。 B.消化管でのオートファジー調節(この項は藤村が担当) 小腸上皮組織でのオートファジー活性を形態的方法と生化学的方法とで比較しつつ検討した。使用する抗体の特異性の検討と、栄養条件の変動下におけるオートファジーの誘導を観察した。予備的検討から、LC3の細胞内での局在性(核移行)による調節の可能性を浮かび上がってきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
概要でも述べたように、最も基本となるオートファジーマーカーLC3を用いたCytosolic LC3 Ratio法について、細胞種、細胞分画法、特異抗体など複数の原因により問題が生じ、その解決に半年以上を費やしたため、進展が遅れている(一応上記の問題は解決された)。
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今後の研究の推進方策 |
何とか,昨年のCytosolic LC3 Ratio法についての問題が解決したので,キャッチアップを図る。幸いこの方法についての習熟度が向上している。また、本プロジェクトへの従事者を増加させている。
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