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2011 年度 実績報告書

血管異常収縮を選択的に阻害する食品成分の同定と作用機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23380077
研究種目

基盤研究(B)

研究機関山口大学

研究代表者

小林 誠  山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80225515)

研究分担者 岸 博子  山口大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40359899)
加治屋 勝子  山口大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (00379942)
キーワード食品機能 / 血管病 / 血管異常収縮 / 膜ラフト
研究概要

脳梗塞や心筋梗塞などの重篤な血管病の原因として、血管攣縮(=血管の異常収縮)が注目されている。申請者らは、血管異常収縮の原因分子スフィンゴシルホスホリルコリン(SPC)を世界で初めて同定したが、その詳細な病態メカニズムは未だ解明されていない。更に、申請者らは、天然物を網羅解析し、食品中から血管異常収縮を抑制する候補成分を発見しつつある。
本研究では、(1)血管異常収縮の分子機構を解明する事、(2)血管正常機能(血圧維持を担う正常収縮)を抑制せず、異常収縮のみを選択的に阻害する食品成分を同定し、その作用機序を解明する事、を最終目的とする。血管病になった"後"に投与される医薬品とは異なり、食品は血管病になる"前"から摂取できるため"真の予防法"が可能となる。
申請者らは、これまで世界初・独自開発の実験技術や実験装置を用いて、血管病の病的シグナル分子と分子機構を世界に先駆けて次々に明らかにしてきた。本研究でも、それらの得意とする実験技術・装置を駆使して研究を進め、本年度は以下の研究成果を得た。
1.血管異常収縮の反応の場である細胞膜上マイクロドメインの分子・ナノレベル解析を行った(加治屋)。膜ラフトの人工モデル膜であるハイブリッドリポソームを用いてSPCとの動態を調べた。
2.リン酸化プロテオミクスを用いて新規の病的シグナル分子の候補分子の同定を試みた(小林、岸)。Fynの下流の候補分子を得た。
3.病的シグナル分子の細胞内局在解析のための、多波長同時測定型・高速度タイムラプス蛍光顕微鏡システムのセットアップを行った(小林、岸、加治屋)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定していた3つの研究、1.細胞膜上マイクロドメインの分子・ナノレベル解析、2.リン酸化プロテオミクスを用いた病的シグナル分子の候補分子の同定、3.タイムラプス蛍光顕微鏡システムのセットアップ、の全てにおいて、当初予定の研究成果を出す事ができた。

今後の研究の推進方策

研究は順調に進行しており、現時点では問題点を見出していない。病的シグナル分子の候補分子を同定できたが、これまで、平滑筋収縮での関与が報告されていない、全く新しい分子である可能性が高いため、その機能解析には、独自の新しい工夫が必要となる可能性がある。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Sphingosylphosphorylcholine induces stress fiber formation via activation of Fyn-RhoA-ROCK signaling pathway in fibroblasts2011

    • 著者名/発表者名
      D.Xu, et al
    • 雑誌名

      Cell.Signal.

      巻: 24 ページ: 282-289

    • DOI

      10.1016/j.cellsig.2011.09.013

    • 査読あり
  • [学会発表] Important role of lipid mediators in molecular mechanisms of abnormal vascular contraction2012

    • 著者名/発表者名
      S.Kobayashi
    • 学会等名
      第89回日本生理学会
    • 発表場所
      長野県松本文化会館(松本)(招待講演)
    • 年月日
      2012-03-30

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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